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しおりを挟む金曜にはうちに帰って、セディーの元気そうな姿を見て安心した。
心配掛けてごめんと謝るセディーに、無茶はしないでちゃんと身体を労るようにと約束させた。
アホ共からセディーにと押し付けられたお見舞いの品々を渡すと、少し困ったような照れ笑い。
そして、
「ありがとうね、セディー」
にこにこと上機嫌なブラウンを見据えてお礼を言う。
「? お礼をするのは僕の方じゃない?」
「ああ、そっちじゃなくて。わたしの為に動いてくれてありがとう。本当はあんまり無茶してほしくないんだけど・・・でも」
こんなこと言うのは自分でもどうかとも思うけど、でも・・・
「セディーがあの人達との縁を切ってくれて・・・嫌な役目をさせたとも思ってる。でも、嬉しかった。ありがとう、セディー」
両親と長く暮らした分、わたしよりもセディーの方がつらい思いをしただろうに。
「そっか・・・ふふっ、ネイトに喜んでもらえたなら僕もがんばった甲斐があるよ」
どこかサッパリしたような表情で清々しく笑うセディー。そして、
「あーあ、さっさと手続き終わらないかなぁ。戸籍が宙ぶらりんだと、書類書くとき困るんだよねぇ」
なんだか不思議なことを言い出した。
「え? あれ? セディーはもう、とっくに侯爵家の戸籍に入ってるんじゃないの?」
「ううん。戸籍上とは言え、僕とネイトが他人になるのは嫌だったから。僕もネイトと一緒に子爵家の戸籍から抜いてもらう予定」
「ええっ!?」
「というワケで、僕もネイトと一緒にお祖父様とおばあ様との養子縁組手続きするから」
にこにこと、セディーがアホっぽいことを言っている気が・・・
「まぁ、それまで書類にサインできないからゆっくりしなさいってお祖父様に言われちゃったんだよねぇ」
う~ん……それは、結果オーライなのかな?
「明日、明後日は本当に予定が無いんだ。僕と一緒に遊んでくれる? ネイト」
✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰
それから少しして――――
セディーとわたしは仲良く? 並んでお祖父様とおばあ様の子供になった。戸籍上の。
ちなみに、長男のエドガー・ハウウェルの戸籍は抹消。伯母様も嫁いでいるので戸籍が抜けていて、長男がセディック、次男がネイサンとなっている。
子爵家次男だったわたしは、侯爵家の次男になった。
なんだろう、こういうのもクラスアップ? って言うのかな?
とりあえず、セディーが侯爵家嫡男なのは変わらないけど。
まぁ、あれだ。爵位が上がると、寄って来る人が増えるんだね・・・
『変な人とは付き合わないこと!』と、セディーを筆頭にお祖父様おばあ様から口酸っぱく注意されました。
うん。わかってる・・・
まぁ、アレだ。一年のときにわたしを軍の諜報部に勧誘しようとしていたアルレ嬢程にヤバい人は、今のところいないのが救いだ。
うん。日中逃げ回っていたら、夜中に人の部屋の窓にへばり付いているようなガッツがあるというか……ホラーな感じの体験はしてないし。
次点が、夜通し人の部屋の前に立って、朝っぱらから人に打ち合いを挑んで、嫌だと言ったら無理矢理引き摺って付き合わせたどこぞの脳筋かなぁ。
ああいうのを越える程の変人は、絶対に出てほしくないなぁ。両方共、軍事関係者なのがなんとも言えない。
『ケイト様を見守る会』の人達は・・・論外!
とりあえず、侯爵家次男になったから強引な勧誘は無いと思いたいけど。
それ以外の要注意と言えば、わたしのは婚約者がいると周知しているにもかかわらず、擦り寄って来るお嬢さん達か。
一応、レイラ嬢やアンダーソン嬢と言った、乗馬クラブの関係者やケイトさんのお知り合いの令嬢達が目を光らせているという話だけど。
まぁ、普通に節度ある行動を心掛けていればOKだよね。
わたしにはスピカがいるんだから!
__________
普通に予測していた方は多いでしょうが、ネイサンは『子爵家次男』から無事、『侯爵家次男』にクラスアップ? しました。(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
って、拍手でいいのかな?(੭ ᐕ))?
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