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しおりを挟む肉祭り第二弾が開催されることとなった。
燻製、ジビエのロースト、煮込み、ステーキ、キッシュ、ラビオリ、塩釜焼き、野鳥の丸焼き、パイ包み焼き、スパイス煮込み……と、肉料理がテーブルに並ぶ並ぶ。
しかも、今は食料配達が再開されている為、前回のときよりも料理の種類が多くて彩りも鮮やかで豪華な感じだ。
「みんな、よく食べるんだね・・・」
「若いですね……」
セディーとライアンさんのしみじみとした呟き。
「や、セディーもライアンさんも、そんなに年変わらないでしょ」
セディーとは三つ、ライアンさんとは二つしか離れていない。エリオットとは、プラス一才ずつだけど。
「……単に、文化系と体育会系の違いだと思います」
こちらも少食気味のリールがぼそりと言う。
「ああ、そう、なのかな?」
と、わたしとエリオットを見やるセディーとライアンさん。
「? なぁに? セディー」
「どうしましたか?」
「アハハっ、おにーさんもライアン先輩も騙されちゃいけませんって。この二人、こーんな美女と美少女な顔しといて、かなりの体育会系ですよ?」
「一応、騎士学校生時代よりは食事量は落ちているようですが」
と、一番食べているレザン。
「え? 騎士学校時代って、今以上に食べてたのっ!?」
「ん~、ほら? 成長期って、やたらお腹空くでしょ。運動すると尚更ね」
というか、騎士学校の運動量であまり食べない方が、身体を壊す。
「セディーだって、中等部時代や高等部時代には、今よりも食事量が多かったんじゃない?」
「言われてみれば……そう、なのかな?」
「うむ。そういうものです。身体作りは、栄養が大事ですからね」
と、わちゃわちゃしながら夕食。
「ふぃー……食った食った」
「美味しかったですねっ」
「うむ。いい肉料理だった」
「……相変わらず、見てるだけで腹一杯になるような食い振りだな」
「ごちそうさまでした」
食事が終わると、
「あの、お礼とお詫びを兼ねてと言ってはなんだけど……よかったらどうぞ」
そう言ってセディーが出したのは、人数分のノート。
「ライアンと一緒に作ったんだ」
「それじゃあ遠慮なく、ありがとうございまーす」
一番に手を伸ばしたテッドがノートを捲ると・・・
「ぅっ!」
その顔が苦痛に耐えるように歪んだ。
「後期の授業に役立つと思って」
にっこりと微笑むセディー。
「エリオット君の分はどの教科が苦手なのか判らなかったから、一年生の基礎問題と応用問題を作ったんだけど……どうかな?」
「・・・これは、一体」
たらりと、ノートを手渡されたレザンの頬を汗が伝う。
「君達がそれぞれ苦手にしている教科の問題集。これを解けば、テストで赤点を取ることはないと思うよ? ほら、幾ら休暇中とは言っても、全然勉強しないのはさすがにまずいでしょ」
「わ~、わざわざ僕達個人個人に合わせて問題集を作ってくれたんですか? ありがとうございます、セディック様、ライアンさん!」
「……助かります。ありがとうございます、お二人共」
にこにこ顔のエリオットに、珍しく嬉しそうな表情のリール。
「はい、ネイトの分」
「ありがとう、セディー。ライアンさんも」
若干二名程、固まってるのがいるけど。
翌朝には、馬車を三台に分けてフィールズ家の別荘を発った。
__________
ライアンは地味に問題集を手作りしてました。(笑)
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