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しおりを挟む・・・見られてたっ!!
「ああ、君達も無事でよかったよ」
「あ、なんかハウウェルに言ったときよりも軽いっすね」
「……身内が一番なのは当然だろう」
「ふふっ、ごめんね? 僕が一番大事なのはネイトだから」
「出たっ、おにーさんのブラコンっ!」
「や、そこはケイトさんって言っておこうよ? セディー」
「大丈夫、ケイトさんもきっと、一番大事なのはリヒャルト君だって胸を張って答えるから」
「それはそうかもしれないけど……」
むしろ、婚約者としてはそれで大丈夫なのだろうか?
「ところで、セディー」
「なぁに? ネイト」
「顔色があんまり良くないけど、無理してない? ちゃんと休憩しながら来たの?」
わたしの心配をしてくれるのはありがたいけど、セディーの方が顔色が悪い。
「そう言えば、休憩……は、あんまりしてない……かも?」
そう言って、ぐらりとセディーの身体が傾ぐ。
「ちょっ、セディーっ!?」
慌ててセディーを支えると、すーすーと聞こえる寝息。
「セディック様っ!?」
「おにーさんっ!?」
「……大丈夫、なのか?」
「ああ、多分大丈夫。寝ちゃったみたいだから静かにね?」
「大方、ハウウェルを見て気が抜けたのだろう。運ぶか? ハウウェル」
「ぁ~、いい。大丈夫。わたしが運ぶ。よ、っと」
と、セディーを横抱きに。
「エリオット。悪いんだけど、二人部屋を用意してくれる? あとで、わたしもそっちの方に移るから」
「わかりましたっ。お部屋はこっちです」
エリオットの案内で二人部屋へ。
「って、そんなにすぐ用意できるものなの?」
「えっと、レザン先輩かハウウェル先輩が僕と二人部屋になってくれないかな? って、準備してました」
「ふ~ん。ま、ありがとう」
それから、部屋に着いてセディーの衣服を寛がせてベッドへ寝かせる。
そして、セディーが持って来たという荷物の確認と点検。外でフィールズ家の使用人とあれこれ話していたライアンさんに、セディーが倒れて寝ていることを報告。なんでも、あまり休憩を取らない強行軍でここに来たらしい。
食料は、道中のスピードが落ちるからと、ここより少し前の町で買い集めたのだとか。そして、ずっとイライラしていたセディーが、その町で食事をした後には落ち着きを取り戻した様子になったそうだ。なんでも、「ネイトのお友達がいてね、ネイトが元気だって聞いたんだ」とのこと。
この近辺でわたしの友人というと、多分キアンのことだろう。
セディー。会ったんだ。あれと・・・と、思わないでもないけど、それでわたしの無事を直接聞いてセディーが安心したというのなら、ちょっとキアンに感謝してもいい。ちょっとだけ、ね。
消化にいい食べ物と医者の手配をお願いして、部屋を移動する為に荷物の片付け。
寝苦しそうなセディーを見て、思う。もしかしたら、体調を崩すかもしれないなぁ……と。
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