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しおりを挟む「小動物と同志は兎も角、さすがに屈強なる剣士相手では分が悪いな」
キアンは幼少期より、幾度も刺客に狙われ、それを退け続けて生き残っている。騎士学校ではそれなりに手を抜いていたが、それでも五指に入る実力の持ち主。わたしとエリオットでは相手にならない。
命を懸けない正面切っての戦いであれば、分が上がるのはレザンの方。しかし、これもまた、正々堂々の戦いでなければ勝つのはおそらくキアンの方。
まぁ、今のキアンは弱っているから、案外あっさりとレザンに制圧されるかもしれないけど……多分、怪しい薬物やらなにやらを使用されなければ、ね。
「暴力はあんまりよくないと思いますけど……」
「どうせ君、ず~っと浅くしか寝てないんでしょ。それじゃあ治るものも治らないよ。君の代わりに警戒してあげるから、爆睡して来れば?」
「・・・相変わらずの世話焼きだな。麗しき同志は」
「だって君、よく拾い食いとかするし。今回もそれでしょ? アホの子過ぎて見てらんないんだよね」
なんかこう、キアンのことが……なんでも口に入れる幼児に見えて、心配になってしまうことがある。それにキアン本人も……無自覚かもしれないけど、どこか心配されたがっている節がある。
「ククッ……そうか。では、ありがたく寝るとしよう」
そう言ってキアンは、ベッドルームへ入って行った。
「で、順番はどうする?」
「俺からで構わんぞ」
「じゃあ、その次がわたし」
「えっと、それじゃあ僕は、朝うんと早く起きますねっ」
「はい、決まり。じゃ、わたし寝るから」
体調の悪い、子供みたいなどこぞのアホ元殿下の為、交代で寝ずの番をすることになった。
多分、必要ないとは思うけど・・・
ソファーで一旦仮眠して、夜中の一時頃に起きてレザンと交代。
部屋に置いてあった本を読みながら時間を潰し……
朝の四時にエリオットが起きて、交代。
まだ夜明け前だし、少し寝よう。
✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰
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