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 翌日。

 ギシギシする身体で・・・

「ぅぐっ!?」

 起きようと思って動かした肩と腕がめっちゃ怠くて痛いんだけどっ!?

 のたのたと起きて、痛みに涙目になりつつストレッチで身体を解して身支度をして食堂へ向かった。

「あ、ハウウェルせんぱい……」

 いつもよりも元気がなく、怠そうなエリオット。

「調子はどうだ? ハウウェル」

 そして、表面上はいつもとあまり変わらないレザン。

「・・・めっちゃ筋肉痛。特に腕と肩」
「ふむ。そうか」
「・・・君の方はどうなの? 足腰とか」

 一応聞いておく。昨日、コイツに膝カックンをお見舞いしたからなぁ。あれ、体重が重い人が食らって思い切り膝を着くと、結構足腰に来るんだよね。しかも、数時間から数日が経ってから痛むという風に、時間差で来たりもするし。

 謝ったりはしない。膝を着かせた後に追討ちで急所(頭や腹など)に強く蹴りを入れたりはしてないし。まぁ、エリオットを投げてぶつけたけど。

 でも・・・ちょっとだけ心配ではある。ほんのちょっとだけ、ね?

「うむ。両膝が紫になる程度の打ち身と言ったところか。若干足に来ていることは否めないな」
「ちゃんとアイシングした?」
「うむ。昨夜のうちにケアはしたからな。歩行に支障が出る程ではない」

 ということは、歩くと少しは痛みがあるという感じか?

「そう。それじゃあ、痛みが引くまではあまり走ったり、重たい物持ったりとかの無理はしない方がいいよ」
「わかっている」
「エリオットは? 筋とか傷めてない?」

 腕とか足とか引っ張ってぶん投げたし。無理な力が掛かって、どこか傷めていたら厄介だ。やったのはわたしだけど。

「はい~。今のところ、どこかが突っ張っていたり、すっごく痛むような箇所は特にないので、多分大丈夫だと思います~」
「そう。時間差で来ることもあるし、なんかの拍子に痛んだりするかもしれないから、どこか痛くなったらすぐに言うこと。いい?」
「はい~」

 と、レザンとエリオットの体調を聞いてごはんを食べて、部屋でごろごろと過ごして・・・

 筋肉痛で、ぐぉぉ~~! と唸りながら、休日が過ぎて行った。

 そして、週明け。

「ハウウェル先輩っ」
「・・・なに?」
「おお、今日のフィールズは元気そうだな? もう治ったのか?」
「はいっ。ちょっと痛いですけどもう大丈夫ですっ! ハウウェル先輩はどうですか?」
「まだあちこち痛い」
「……授業に支障が出るまでやるとか、アホだろ。お前ら」
「うん? 特に支障は無いぞ?」
「はいっ、もう大丈夫ですっ」
「そうか……これが現役との違い。若さってことだなっ!」
「ふぇ?」
「ふむ・・・鍛錬が足りないということか!」
「は? なに言ってんの君達」

 微妙に間違ってはいないような、けれど的外れなようなことをわちゃわちゃと言うアホ共。それを聞き流しながら朝食を食べて・・・

 はぁ・・・今日は授業が長そうだ。


✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰


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