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しおりを挟む週末の金曜日。
雨よ降れ~! 天気よ崩れろ~! というわたしの願いも虚しく、空は晴れ渡っていた。地面の状態も良好。外で身体を動かすのにバッチリなコンディションと言える。至極残念だ。
着々と近付く放課後に、テンションはどんどん下がって行く。そんなわたしとは対照的に、どことなく上機嫌な様子の無神経な生き物が・・・
「さあ、行くぞハウウェルっ!」
わたしの教室まで迎えに来やがったよ。
「ぁ~はいはい。まずは着替えが先ね」
「うむ。そうだな」
と、寮へ戻って荷物を置いて、汚れてもいい服へ着替えて準備する。
ああ、行きたくない・・・と思いつつも、木剣を持って外へ出る。
「ハウウェル先輩っ!」
「遅いぞハウウェル」
にこにこと手を振る私服姿のエリオットに、訓練着で木剣を握って準備万端のレザン。
「やる気満々だな、レザンとフィールズは。ま、飲み物とかその他諸々は用意しといたから、がんばれハウウェルっ!」
ニヤニヤと笑いながら、救急箱を示すテッド。
「ちなみ、リールは欠席な? ……見てられるか、だってよー。面白いんだけどなー」
ぼそりとリールの口真似。
「そう」
「では、やるぞ!」
「あ、ちょっと待って。髪結び直すから」
と、首の後ろで括った髪を一旦解いて、後頭部の高い位置で結び直す。
「おおっ、美人さんのポニテだポニテっ♪」
なにやら嬉しそうな顔でじろじろとわたしを見やるテッド。
でも、残念ながらポニーテイルではないんだよね。高い位置で括った髪の毛を、根本にぐるぐると巻き付けてまとめ上げて固定。痛くはないように、けれど動いても崩れないよう、少しキツめに結い上げる。
「お、お団子ヘアだとっ!? ヤだっ、女の子のお団子にしてはかなり雑な感じだけど、ハウウェルの美女っぽさが益々増してるっ!?」
こうやってじろじろ見られるのが嫌だから、寮の中ではやらなかった。
「ウルサいな。エリオットも髪結ぶ?」
テッドに顔を顰めながら、予備の髪紐をエリオットへ差し出す。
「あ、はい。ありがとうございます」
髪紐を受け取ったエリオットが、少し長めの髪をいそいそと結ぶと……
「なんでそこでパイナップルっ!?」
残念そうな声が上がった。
「ふぇ?」
前髪をキュッと結び、おでこを出したエリオットがきょとんと首を傾げる。
「そこは空気を読んで、ハーフアップかツインテールにすべきだろうがっ!?」
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