虚弱な兄と比べて蔑ろにして来たクセに、親面してももう遅い

月白ヤトヒコ

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番外。ルリア視点。5

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「レイラねえさま、おけがですか?」
「あ、ルリアちゃん。うん、そうみたい。ああ、レイラちゃん待って。靴は、椅子に座ってからそっと脱いだ方が楽だよ」
「わかったわ」

 エル兄様にエスコートをされ、痛そうに顔をしかめながら、ソファーに座ってそっと靴を脱ぐレイラ姉様。そのつま先が赤くなっていました。そして、踵の方は擦りむいたような感じで、血が出そうになっていて痛そうです。

「レイラちゃん、靴擦れが痛いみたいだから手当てをしてあげて。それから、軽く食べられる物と飲み物、それと、柔らかくて踵の低い靴を用意してくれる?」

 てきぱきと侍女に指示を出して行くエル兄様。

「うっ!? い、痛い痛い痛いっ!?」

 侍女に手当てされて消毒液が沁みるのか、涙目になって叫ぶレイラ姉様。

「意地張って無理するからだよ。あんまり歩かなければよかったのに。靴擦れって、結構馬鹿にできないんだからね?」
「だって、可愛い靴なんだもの。挨拶ついでに自慢したかったし……それに、こんなに痛くなるなんて思ってなかったわ。ねえ……なんか慣れてない? エリー」
「さっきも言ったでしょ。姉様達が、新しい靴で靴擦れをよくしてるからね。靴が可愛いのはわかるけど、自分の足の方が大切だと思うんだけどな? 折角可愛い靴を買ってもらっても、その新しい靴に血が付いたりするのって嫌じゃないの?」
「うっ……そ、それは、確かに……」
「ほら、サンドウィッチと飲み物が来たよ。あんまり食べてなくて、お腹空いてるでしょ」
「ありがとう。よくわかったわね?」
「姉様達が、パーティーから帰って来たときにはよくお腹空かせてるから。ドレスとか着てお化粧してると、あんまり食べられないって。コルセットが苦しくなるし、お化粧が落ちるのも気になるから、会場では飲み食いし難いみたい」
「そうなのね……」

 と、エル兄様のお話を聞いて、ちょっとしょんぼりしながらレイラ姉様は、サンドウィッチを齧っていました。

「あ、ここはレイラちゃんのおうちの控え室だから大丈夫だよ? お化粧が落ちても、直してもらえばいいからね」
「エリーって、偶に頼りになるのね……」
「え~? なにそれ?」

 エル兄様が話によると・・・どうやら、大人の女の人。立派な淑女レディになるには、色々と大変なようです。

「ありがとうございます、エルにいさま」
「ふぇ? いきなりどうしたの? ルリアちゃん」
「レイラねえさまをたすけてくれて」
「えっと、ありがとうねっ、エリー」
「ふふっ、どういたしまして」

 そうやって、レイラ姉様とエル兄様が一緒に笑っていたこともあったのに――――

✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽


 靴擦れ、実は結構馬鹿にできないです。

 腰痛持ちや関節痛持ちの人でなくても、靴擦れや足に怪我などをすると、歩き方がおかしくなったりして、腰やら膝、足首、股関節などに痛みが来たりするそうです。お気を付けください。

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