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番外。ルリア視点。4
しおりを挟むかっこいいところがあって……
でも、可愛い人だと思う。
助けてあげたい。
泣いているお顔を見たくない。
笑っていてほしい。
優しくしてあげたい。
これは一体、どういう気持ちなのでしょうか?
よくわかりません。
エル兄様に、ルリの好きなお菓子を分けてあげました。なんだか急に、あげたくなったのです。
「ありがとう、ルリアちゃん。一緒に食べようか?」
と、エル兄様にあげるつもりだったお菓子を一緒に食べてしまいました。
美味しかったです。なぜか、いつも食べるよりも美味しく感じて・・・不思議です。
それからも折に触れ、エル兄様を助けたり、抱っこをねだったり、偶にルリの方が助けてもらったり、一緒にお菓子を食べたりして――――
親族を集めて、レイラ姉様とエル兄様の婚約を発表するパーティーをすることになりました。
ルリは小さいので、ちょっとだけ顔を出しておしまい。レイラ姉様とエル兄様も、お披露目が済んだら引っ込んでいいそうです。
レイラ姉様は、おしゃれを張り切っていました。
この日のために新しいドレスを作ってもらって、踵の高い靴を履いて、ちょっとだけお化粧もしてもらって、
「どう? ルリア、レイラ姉様綺麗でしょ?」
ドレスの裾を摘んでくるりと一周。にこっとルリに笑い掛けました。
「はい」
「ルリアも、婚約者が決まったらお披露目のパーティーがあると思うわ。そのときには、今日のレイラ姉様みたいにルリアに似合うドレスを作ってもらって、可愛い靴を履いて、お化粧をしてとっても可愛くしてもらえるわよ。ふふっ、ルリアの婚約者は、かっこい人じゃないと嫌だわ」
「? かっこいい人、ですか?」
「そうよ。可愛いルリアを任せる人だもの。お姉様がしっかり見極めてあげるから、安心なさい」
「よくわかりません」
「ふふっ、ルリアはまだ小さいものね」
コンコンとノックの音がして、
「レイラちゃん、準備できた?」
エル兄様が顔を出しました。
「ふふん、どうかしら? 可愛いでしょ」
「うん、レイラちゃん。いつもよりいっぱいおめかししたね。あ、その靴……」
「なに?」
「今まで見たことないし……レイラちゃん、踵の高い靴履くの初めてだよね?」
「それがどうかした?」
「えっとね、踵の高い、細くて華奢な靴って、履き慣れないと靴擦れとかして大変なんだって。姉様達が言ってたよ。もうちょっと低い靴の方がよくない?」
「え~? 折角ドレスに合わせた靴なんだから、このままでいいわ」
「そう? 足、痛くなったら言ってね? 早目に戻るようにしようよ」
「なに言ってるのよ? こんなにおしゃれしたんだから、楽しまないと」
「わかったよ……」
「それじゃあ行くわよ」
と、心配そうな顔をしたエル兄様をレイラ姉様が引っ張って行きました。
そして、ちょっとだけ顔を出したルリが控え室でゆっくりしていると、
「ぅうっ、足痛い」
レイラ姉様の声がしました。
「もう、だから言ったのに……ほら、もうすぐ着くから手当てしてもらおうね」
と、控え室のドアが開いて、泣きそうな顔のレイラ姉様と心配そうな顔のエル兄様がやって来ました。
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