上 下
382 / 673

336

しおりを挟む


 うんうんと呻りながら(主に二人程)も、中間テストに向けて勉強を進めながら日々が過ぎて――――

「フッ、俺は勝った!」
「……なににだ?」
「そりゃあもちろん、補習にさ! な、レザン」
「うむ。フィールズ、助かったぞ」

 と、どうやら二人共赤点は免れた模様。

「わ~、よかったですねっ♪レザン先輩とメルン先輩が、まさかあんなに勉強が苦手だとは思ってなかったですよ」
「……くっ、そういうフィールズはどうだったんだ?」
「僕ですか? 今回は学年七位でしたね。もうちょっと上かなって思ったんですけど・・・まあまあの成績じゃないですか?」
「七位でまあまあだとっ!?」

 「……アホの子 のクセ して…… 実はマジで 賢い子 だった なんて、 とんだ 詐欺だっ ……」

「ふぇ?」
「そう言えば君、実技はかく、座学は学年でいつも上位だったよね」

 騎士学校時代、エリオットは実技の成績はあまり上の方じゃなかったけど、筆記テストの方は学年で常に上位で、主席とか次席辺りにいたのをよく見た気がする。調子が悪くても、五位以下になったのは見たことがないと思う。

 まぁ、向こうではずっとそんな感じだったけど……やっぱり、こっちの方が学力の高い人が多いということかな?

「あ、はい。勉強は嫌いじゃないですからねっ♪」
「え? マジで言ってんの? 正気か?」
「え? え~っと、はい。勉強と運動は嫌いじゃないっていうか……」
「……というか、なんだ?」
「勉強や運動の時間は、姉様達に遊ぼうって言われない時間でしたからね。僕の勉強は邪魔しちゃ駄目って、お祖父様から言われてたみたいで。それで、お父様にお願いして家庭教師を増やしてもらって、沢山勉強しましたっ」

 にこにこと話すエリオット。その成績がいい理由は、状況やらなにやらは色々異なるけど、根本的なことは・・・セディーと似ていたのか。

「ぁ~、ねーちゃん達関連かー……そっか。苦労したんだなー」

 よしよしという風に、エリオットの頭を撫でるテッド。

「えへへ」

 まぁ、テストが一段落したら、エリオットに誘われているお茶会があるんだけどね。

 週末はうちに帰ったらセディーに話して、どうするか決めなきゃ。

✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰


 エリオットは、賢いアホの子。(笑)

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今更「結婚しよう」と言われましても…10年以上会っていない人の顔は覚えていません。

ゆずこしょう
恋愛
「5年で帰ってくるから待っていて欲しい。」 書き置きだけを残していなくなった婚約者のニコラウス・イグナ。 今までも何度かいなくなることがあり、今回もその延長だと思っていたが、 5年経っても帰ってくることはなかった。 そして、10年後… 「結婚しよう!」と帰ってきたニコラウスに…

ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?

ルーシャオ
恋愛
完璧な令嬢であれとヴェルセット公爵家令嬢クラリッサは期待を一身に受けて育ったが、婚約相手のイアムス王国デルバート王子はそんなクラリッサを嫌っていた。挙げ句の果てに、隣国の皇女を巻き込んで婚約破棄事件まで起こしてしまう。長年の王子からの嫌がらせに、ついにクラリッサは心が折れて行方不明に——そして約十二年後、王城の古井戸でその白骨遺体が発見されたのだった。 一方、隣国の法医学者エルネスト・クロードはロロベスキ侯爵夫人ことマダム・マーガリーの要請でイアムス王国にやってきて、白骨死体のスケッチを見てクラリッサではないと看破する。クラリッサは行方不明になって、どこへ消えた? 今はどこにいる? 本当に死んだのか? イアムス王国の人々が彼女を惜しみ、探そうとしている中、クロードは情報収集を進めていくうちに重要参考人たちと話をして——?

妹がいなくなった

アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。 メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。 お父様とお母様の泣き声が聞こえる。 「うるさくて寝ていられないわ」 妹は我が家の宝。 お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。 妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います

りまり
恋愛
 私の名前はアリスと言います。  伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。  母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。  その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。  でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。  毎日見る夢に出てくる方だったのです。

【完結】無能に何か用ですか?

凛 伊緒
恋愛
「お前との婚約を破棄するッ!我が国の未来に、無能な王妃は不要だ!」 とある日のパーティーにて…… セイラン王国王太子ヴィアルス・ディア・セイランは、婚約者のレイシア・ユシェナート侯爵令嬢に向かってそう言い放った。 隣にはレイシアの妹ミフェラが、哀れみの目を向けている。 だがレイシアはヴィアルスには見えない角度にて笑みを浮かべていた。 ヴィアルスとミフェラの行動は、全てレイシアの思惑通りの行動に過ぎなかったのだ…… 主人公レイシアが、自身を貶めてきた人々にざまぁする物語──

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

伯爵令嬢が婚約破棄され、兄の騎士団長が激怒した。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

全てを諦めた令嬢の幸福

セン
恋愛
公爵令嬢シルヴィア・クロヴァンスはその奇異な外見のせいで、家族からも幼い頃からの婚約者からも嫌われていた。そして学園卒業間近、彼女は突然婚約破棄を言い渡された。 諦めてばかりいたシルヴィアが周りに支えられ成長していく物語。 ※途中シリアスな話もあります。

処理中です...