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しおりを挟む「・・・えっと、もしかしなくても君の立場って、すっごく微妙じゃない?」
「微妙って言うか・・・お祖父様が、さっさと僕のことを諦めてくれればいいんですけどね? お父様もお母様も、女の子が苦手で泣き虫な僕に公爵が務まる筈はないって、ず~っと言ってるんですけど・・・」
どんよりとした表情で、なんだかとんでもないことを語るエリオット。
「一応、こないだの件でお祖父様も思うことがあったらしくて。最悪、レイラとの婚約は見直して、僕じゃない他の誰かと結婚させて、その子供が大きくなるまでの繋ぎになってほしいって。まぁ、レイラじゃなくてルリアちゃんの子でもいいみたいなんですけど・・・」
「ルリアちゃんって言うのは?」
「あ、レイラの妹です。ちっちゃくて可愛いんですよ? 姉様達やレイラみたいにイジワルじゃないし、僕の嫌がることはしないし。それどころか、レイラから僕を庇ってくれる優しいいい子です♪」
幾ら身内とは言え、小さい女の子に庇われて平気なのか、コイツ・・・
「・・・ふむ。今更なのだが、それは俺達に話してもいい話なのか? 普通、後継問題はなるべく口外しないものだと思うのだが?」
「ふぇ? ・・・ああっ!?」
レザンの言葉に、しまった! という顔で、今更口を押さえても遅いと思う。
「まぁ・・・君は、自分でも言ってるように、公爵には向いてないと思うよ」
次代の当主候補が、こんなにぽろぽろと家の内情を零しちゃ駄目だし。
「とりあえず、テッド。リール」
「おう、あれなー。口外しちゃ駄目やつな? 安心しろ、フィールズ。こう見えて俺、言っちゃ駄目な話は空気読めるから。客商売は信用第一だぜ!」
「……俺も厄介事は御免だからな。守秘義務は守る」
「ぁぅ~、すみません……」
「はいはい、それじゃあ、エリオットがまた要らないこと話す前に、勉強に集中しようか」
「え~」
「なに? もっとなにか聞きたいの?」
「あ、いえ。そんなことはありませんです、はい。勉強、全然楽しくないけどがんばらないとなー」
と、テスト勉強をすることにした。
「な、な、ここってどう解くん?」
「あ、これはこの公式使うといいんですよっ」
「おお、マジか」
「この問題なのだが……」
「あ、それはこういう風に考えるといいって聞きましたよっ」
「成る程」
なんて、一年の筈のエリオットに勉強を教わっている奴が・・・
エリオットが優秀なのか、それともこの二人がちょっとアレなのか・・・まぁ、聞いちゃマズい話をされるよりはいいのかな?
✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰
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