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しおりを挟む「……それにしても、なぜ乗馬クラブの前部長は、ハウウェルに直接伝えなかったんだ?」
「そうだよね。なんでだろ? わたし、部長とあんまり話したことないんだけど」
首を傾げるリールに頷くと、
「ああ、それは・・・あれだ。なんと、実は前部長も『ケイト様を見守る会』の会員だったそうでな。セルビア副部長とハウウェルと話すのを想像するだけで、緊張して動悸と息切れが激しくなるとのことで、俺に伝言を頼んだのだと言っていた。ちなみに、普段セルビア副部長とは、もう一人の前副部長を間に入れてやり取りをしていたそうだ」
歯切れ悪く語るレザン。
「嘘だろ・・・」
乗馬クラブの部長とはあんまり接する機会が無くて、ちょっと避けられているのかな? とか、嫌われてたりするのかな? なんて思っていたのに・・・まさかの、ある意味ケイトさんのファンの人達のお仲間だったとはっ!!
というか、動機と息切れって・・・ちょっとヤバくない? あ、だからあんまり接して来なかったのか。と、なんか納得してしまった。
「マジかっ!? こんな身近に例のヘンタイさんが隠れていたとは!」
「? 例の変態? なんの話だ?」
「ああ、リールはあのときいなかったもんなー。なんつーの? セルビア副部長がさ、めっちゃカッコイイ人じゃん」
「ああ。そうだな」
首を傾げながらも頷くリール。
「で、そんな副部長に罵倒されたいとか、シバかれたいってちょ~っとアレな趣味のヘンタイさん達の集まりが、『ケイト様を見守る会』なワケよ」
「は?」
「うむ。以前、交流会でセルビア副部長が良からぬ輩に絡まれたことがあっただろう? どうもそのとき、セルビア副部長と並んでいたハウウェルのファンになった方々もいたらしくてな」
「マジかよっ!? ハハハハハっ!? よかったな、ハウウェル!」
「ウルサいよっ!」
✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰
翌日。
今日から授業が始まる。
配布されたクラス表によると・・・
「おー、またハウウェルだけクラス違うのなー」
レザンとテッドは今年度も同じクラスで、わたしは別のクラスのようだ。
「……俺も違うが?」
ぼそりと言ったリールを、
「え~? リールは上位クラスだからクラス違うのは当然じゃんよ? って、もしかして一人だけ上位クラスなのが寂しいとか?」
ニヤァと笑って揶揄い出すテッド。
「なっ、そんなワケあるか!」
「ま、飯んときは一緒に食ってやっから、あんま寂しがらなくていいぜ」
と、朝食を終えて授業に向かった。
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