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「そうか。では、ネイトの好きなようにするといい」
「はい。それで、お願いというか、少し懸念がありまして・・・」
「なんだ? 言ってみなさい」
「軍への入隊許可書へ、わたしの許可無く無断でサインをされると困るんです。父なら、やり兼ねないかと・・・」

 お祖父様の顔が、不快そうに歪む。

「わかった。エドガーのことは気を付けておこう。すまないな」
「ごめんなさいね」

 お祖父様とおばあ様が二人して謝る。

「いえ。お祖父様に気を付けてもらえるなら安心です」

 これで、両親がまたなにかやらかすんじゃないか……という可能性が、少し減りました。

「さ、今日はもう疲れたでしょう? そろそろお休みなさい」
「そうですね、じゃあお休みなさい」

 と、今日はもう休むことにした。

✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧

 翌日はゆっくり起きて、遅めの朝食を食べて、違和感に気付いた。

 セディーが、わたしに構って来ないことに。

「おばあ様、セディーは?」

 不思議に思って聞いてみたら、

「セディーは今日は出掛けているわ。ネイトに構えなくて残念がっていたけど」

 との答え。

「そうですか」

 どうやらセディーは、自分の用事を優先させている模様。

 まぁ、それはいいことなんだけどね? ちょっとほっとするような、微妙に寂しいような気持ちだ。

 こういうところが、ブラコンだと揶揄からかわれる所以ゆえんなのかもだけど・・・

 おばあ様とお話をしたりして、まったりのんびりと過ごした。

 セディーは夕方に帰って来て、

「今日は一緒にいられなくてごめんね!」

 と謝られて、夜からボードゲームをした。

 そして、惨敗だった。まぁ、わかり易い手加減をされるよりはまだマシだけどっ・・・

 お祖父様となら、三回に一回くらい。おばあ様となら、四回に一回くらいは勝てるのになぁ。

 次の日もセディ-は出掛けていて、わたしが学園に戻る前に慌てて帰って来ると、見送りをしてくれた。

「今回はあんまり一緒にいられなかったけど、次の休みのときにはいっぱい一緒に遊ぼうね! 勉強も見てあげるからね! 約束だよ?」

 と、言って。

 それから、ガタゴトと馬車に揺られて渋滞を越えて学園寮に戻った。

 心配事が一つなくなったので、ちょっと気分が軽くなった♪

 明日からまた、通常授業だ。

✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰


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