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翌日。
ゆっくりと朝食を食べ、お昼前には学園へ向かうことにした。
お見送りは、しょんぼりしたセディーとおばあ様。
「ネイト……怪我とか病気には気を付けるんだよ? 無理はしちゃ駄目だからね? 誰かに虐められたら、直ぐに僕に知らせてね? ネイトを虐めたことを、絶対後悔させてあげるから」
心配そうな顔をして、なかなか過激なことを言うセディー。次期侯爵のセディーに睨まれた相手が可哀想なので、よっぽど相手がアレだったり、酷いことがない場合は、知らせるつもりはない。
「あらあら、セディーってば心配性ねぇ? もう、ネイトなら大丈夫よ。わたしに似てるんだもの」
「お顔は兎も角、ネイトはおばあ様程苛烈な性格ではないと思います!」
「うふふっ、それはどういう意味かしら? セディー」
にっこりと微笑むおばあ様に、
「ネイトはおばあ様よりも優しいですからね」
きっぱりと告げるセディー。
「もう、セディーったら。結構イイ性格してるわよねぇ?」
「おばあ様の孫ですからね」
うふふ、ふふふとにこやかに笑みを交わし合う二人。
遠慮無く軽口を言い合える程、セディーとおばあ様が仲良しなようで良かった良かった。
うん。ちょ~っとうすら寒いような気配は、きっとわたしの気のせいだろう。
「まぁ、わたしは大丈夫だから。そんなに心配しなくてもいいよ? セディー」
「そうね。それじゃあ、気を付けて行ってらっしゃい」
「いつでも帰って来ていいからね?」
にこやかなおばあ様と、まだ心配顔のセディー。
「休みのときにね? それじゃあ、行って来ます」
二人に手を振り、馬車へと乗り込む。
――――ガタゴト揺られること数時間。
程々の渋滞を越え、学園に到着。明日、明後日ならもっと混むだろう。ギリギリで寮に入る人はなかなか多いらしいし。
剣を預けたりなどの手続きを終え、寮へ入る。
「よう、ハウウェル! 久し振りだな! 休み中元気してたか?」
と、早速明るい声が掛けられた。
「うん。テッドも元気そうだね」
「おう、元気だぜー」
「リールも久し振り」
「……ぁ、ああ」
久々に会った二人に挨拶。テッドは相変わらず。けど、リールが目を合わせてくれない。
「? どうかした?」
「よ、寄るな!」
バッと顔を赤くするリール。
「え?」
「そ、その……ハウウェルとは長いこと会っていなかったから、その……か、顔が……」
「おー、あれか。ハウウェルってば女顔の美人さんだからなー。リールの、女の子への人見知り再発的な?」
「誰が女の子だ、誰が」
「女の子だとは言ってない! ハウウェルは男にしとくのがもったいないくらいの美人さんだと思っているだけだ!」
「・・・全くもう」
テッドがあまりにも堂々と言うものだから、毒気を抜かれてしまった。
「リールも、早く慣れてよね」
「……わ、わかった」
と、三人でわちゃわちゃ過ごした。
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