虚弱な兄と比べて蔑ろにして来たクセに、親面してももう遅い

月白ヤトヒコ

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「楽しいワケあるかバカヤローっ! せめて邪魔でもしないとやってられっかよ! モテねー奴舐めてんじゃねーぞこの野郎!」

 荒れてるなぁ。

 レザンは特に嫌がらせだとは思ってなさそうだけど・・・なんというかこう、多分テッドみたいな人達が、「見せ付けカップル共は爆発しろっ!?」という、『過激派密告者』になるのかも。「絶対邪魔してやる!」や「いい雰囲気ブチ壊すべし!」という行動理念? で、ある意味学園の公序良俗は守られているらしいけど。

「あのさ、そんなアホな嫌がらせなんてしないで、交流会当日に一人で参加しているような女子生徒に普通に声を掛けてみればいいんじゃない?」

 さすがに友人が、『過激派密告者』になるのはちょっとどうかと思うし。

「もしかしたらパートナーになってくれたり、相手してくれる女子生徒がいるかもしれないよ? レザンに引っ付いてうだうだしてるより、そっちのが断然マシでしょ。交流会なんだから、別に会場で相手を探してもいいんだし」
「・・・おお、成る程! ち、ちなみに、どんな恰好をして交流会に臨めばいいんだ? やっぱり、盛装か? 顔が普通だと、結構オシャレ頑張らなきゃ女子に見向きもされないのかっ!? どうなんだハウウェルっ!?」
「いや、ちょっと落ち着きなよ? わたしも交流会は初めてなんだって」

 同年代の女性とパーティーに参加するのも、実は初めてだったりするし。
 まぁ、エスコートするのはセルビア嬢ですから、落ち着いて行けそうですけどね。

「ハッ! そう言えばハウウェルは副部長にドレスを贈ったりするのかっ!?」
「いや、なんで? 普通に贈らないから」
「へ? なんでって、だってパーティーなんだろ?」
「パーティーって言っても、交流会は学期末ごとにあるって話だから。盛装やドレスを着るような感じじゃなくて、ちょっとしたお出掛けくらいの服装や、なんだったら普通に制服で参加してもいいんだって。オシャレしたいならしてもいいみたいだけど、あんまり張り切り過ぎると浮いちゃうらしいよ?」

 それに、あまりに交流会に相応しくない恰好(露出過多や宝飾品過多、下品なケバい化粧メイク、やり過ぎな仮装など)だと、即行で退場させられるのだとか。「お堅い校風ですからね」と、ライアンさんが苦笑していました。

「それに、親族でも婚約者でもない女性に、ドレスは贈りません。常識です」
「マジで?」
「マジだよ」
「そう、なのか……? ほら、パーティー参加するごとに全然違う女の人連れてくって、ドレス一式をプレゼントするような貴族がいるからさ? そういうもんだと思ってたわ」
「そういうのは、女癖のよくない人がすることです。絶対参考にしないように。一般的に、ドレスや宝飾品、靴なんかは、親族や婚約者、恋人などの親しい相手に贈るものだからね。それ以外の、あまり親しくない女性に、いきなりそういう品々を贈ると、喜ばれるどころかドン引きされること確実だよ」
「へー」
「……成る程」

 わたしは制服で交流会に参加するつもりでしたが、後で一応はセルビア嬢に当日の服装を聞いておいた方がいいでしょうね。

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