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「? はい、そのようですね」
「・・・ハウウェル様」
「はい」
「大変悔しく思いますが、ハウウェル様・・・・・・

 ?? 一体、なにが悔しいのでしょうか? セルビア嬢は、わたしと話していると偶に悔しそうな顔をしているのを見ますが・・・?

「認めます」
「?? あの、なにをでしょうか?」
「ハウウェル様……セディック様が仰っていました。僕の弟は、すごく綺麗で可愛くて、優しくて、芯が強くて、かっこよくて」
「ちょっ、セルビア嬢っ!?」
「天使みたいなのだと」
「なっ!?」
「ゎぉ、ブラコンフィルターすげー」
「うむ。麗しき兄弟愛だな」

 い、居たたまれないっ!!

 めっちゃ恥ずかしいんだけどっ、セディーってばなに言っちゃってくれてるのっ!?!?

「そして、お互いに自分の弟の方が絶対に可愛いと譲らず、何度となく議論を交わしましたが、それは常に平行線で・・・」
「なんつー不毛な論争だ」

 ぼそりと呟くテッド。うん・・・それには同意する。本当に、なんて不毛過ぎる議論だ。

 なにせ、『好き』の対象は個人個人で違うし、価値観だって違うんだから、そもそも比べるのがおかしいんだって・・・

 なんだろう? ちょっとわたし、セディーの気持ちがわからない。

「そう、あれは本当に不毛な論争でしかなかったのですね。・・・やはり、百聞は一見にかずとの言葉の通り、実物を見て実際に接してみなければ、そのものの本来の美しさや可愛さ、優しさなどは伝わらないものなのですね。確かに、セディック様の仰った通り、ハウウェル様はお綺麗ですし、優しくて」
「なんかもうホント勘弁してくださいセルビア嬢!」

 テッドのニヤニヤとレザンのなまあたたかい視線がツラいです!

「? ああ、そろそろ登校時間が近付いていましたね。すみません。では、手短にお話します」

 登校時間どうこうじゃないんだけど、褒め殺しをやめてくれるなら、もうそれでいいです、はい。

「ハウウェル様がお困りでしたら、交流会のエスコートをお願いしても宜しいでしょうか?」
「へ?」
「んなっ!?」
「ほう……」
「女性側から申し出るのはあまり宜しくないことは判っていますし、純粋にハウウェル様をお慕いしているような方には、少し申し訳ない気もしますが……ハウウェル様は婚約者の方がいらっしゃる身。今のように女子生徒達から逃げ続けるのも大変でしょう? かと言って、このまま変に期待を持たせてしまうよりは、勘違いをすることも無いわたしの名前を使って女子生徒達のお誘いを断っては如何いかがでしょうか? ああ、交流会では実際にエスコートをして頂かなくても結構ですので」
「・・・あの、セルビア嬢?」


__________


 うちの子が一番! 議論。(笑)
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