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テッドがわーわー騒いでいたけど、交流会には一応顔を出すつもりではあった。
参加推奨とはいえ、参加不参加、またパートナーの同伴も自由。
出なくても特になにも言われることはないらしいけど、生徒間の交流会だからある程度生徒達の顔を覚えに行こうかなぁ……と。
交流会には一人で参加して、ちょっと顔を出すつもりだった。
けど――――
放課後、乗馬クラブへ行く途中。
「ネイサン様~、わたくしとパーティーに」
馴れ馴れしく話し掛ける声が聞こえた瞬間、回れ右でダッシュ。
わたしはなにも聞こえなかった。
『彼女』を警戒しながら大回りをして馬場へ到着。厩舎に入り、馬を選ぼうとしていると、
「ハウウェル様は交流会に参加されるのですか?」
「パートナーはお決まりでしょうか?」
「もしお決まりでないのなら、わたくしとご一緒いたしませんこと?」
「あら、抜け駆けはズルいですわ」
初めて見る女子生徒数名に囲まれた。
「あの、あなた方は?」
戸惑うわたしに、にっこりと微笑む彼女達。同学年じゃなさそうだから、多分先輩だろう。
「ハウウェル様に婚約者の方がいらっしゃるのはご存知ですが、この学園の生徒ではないとお聞きしました。交流会でパートナー不在は寂しくはありませんか?」
「もしパートナーが決まっていないのでしたら、と思ってお誘いしているのです」
「交流会は、学生の間に楽しみませんと……ね?」
と、なんとも言えない流し目を寄越されてしまった。女子生徒のその目の奥のギラギラとした輝きに、ぞわりと走る鳥肌と悪寒。
「わたしは乗馬をしに来たので失礼しますっ!」
すぐそこにいた馬の顔も見ないで、慌てて手綱を引いて厩舎を出た。
え? なに今の女子生徒達は? なんかちょっと怖いんだけど?
今の人達は乗馬クラブでは見たことないし、制服姿だから乗馬する気も無かったよね?
え? 部外者? それとも見学?
この翌日以降も、ギラギラした目付きやもじもじした態度の見知らぬ女子生徒、または顔だけは知っている同学年の女子生徒に、交流会のことで声を掛けられること数回。
しかも、交流会のことでわたしに声を掛けて来るのは、大体が貴族子女達だということに気が付いた。
もしかしてわたし、貴族の女子生徒に狙われてたりするっ!?
もじもじした態度は兎も角、ギラギラした目付きの貴族の女子生徒達怖いんですけどっ!?
これが、共学校の恐ろしさというやつか・・・
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