虚弱な兄と比べて蔑ろにして来たクセに、親面してももう遅い

月白ヤトヒコ

文字の大きさ
上 下
183 / 673

165

しおりを挟む


✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰

 平日は授業。放課後には乗馬をしたり、走ったり、レザンから逃げ回ったり、宿題をしたり、いつもの面子に偶にライアンさんが加わったりと――――なんやかんやで騒がしく過ごしている。

 週末は寮で過ごしたり、帰省したり。

 帰省したら、セディーやおばあ様に連れられてお茶会に出たり、学園に通っている生徒のいる貴族家の暗記をさせられたり、勉強を見てもらったりと、なかなか忙しい。

 そんな日々を送っていると、学園で――――

「例の奴ら、とうとう退学が決まったんだってよ」
「例のって、なんの話だ?」
「あの連中だよ、ほら、普通クラスや下位クラスの生徒達を恐喝して金品を強奪していた連中」
「ああ、あの」
「なんでも、示談金が莫大な額になるらしくて、辺境で数十年ただ働きらしい」
「逮捕じゃないのかよ?」
「そこは、保護者と学園側が頑張って、どうにか丸く収めたんじゃね?」
「ほら、生徒から逮捕者が出ると学園の評判とかも下がるしさ」
「あ~」
「でも連中、家から縁は切られたっぽいぜ?」
「そりゃ、普通切られんだろ」
「いやいや、貴族だからわからねぇぞ?」
「ま、なんにせよ、あくどい連中がいなくなったなぁいいことだな」

 なんて会話が聴こえて来た。

 確かに示談金は、相当額になるでしょうねぇ。

 辺境で数十年はただ働きですか。家から縁切りはされたみたいですが、逮捕されないだけマシではないでしょうか?

 彼らは、明確に羽目……というか、人生を踏み外しましたね。犯罪行為は、許されることではありませんからね。

 彼らが何件やらかしたかはわかりませんけど・・・示談金は、三家でキッチリ等分して支払う予定なのだとか。

 辺境で数十年間のただ働きとは、後悔も反省する時間もこれから大いにあることでしょう。
 まぁ、彼らが反省するのかは不明ですが……身体を壊したり、不慮の事故などが無ければ、時間はたっぷりとあるでしょうね。

 彼らのせいで、ご家族の方々は非常に大変だと思います。

 ちなみに、うちにも示談金の支払いをという話はありましたけど、お断りしたんですよねぇ。
 お祖父様が、わたしにどうするかを聞いて来たので、「わたしは別に被害を被ったワケではないので、弁済や慰謝料は要りませんよ」と返事をしました。

 その辺りのやり取りは、わたしが彼らの保護者と直接したワケではありませんが、この間寮に菓子折りが届きましたね。

 『一応、毒が入ってないことは確認したから食べても大丈夫だよ。要らなかったら捨ててもいいからね』という、セディーからのなんとも言えない手紙が付いていたけど・・・

 お菓子は美味しく頂きました。日持ちのする焼き菓子のセットでしたね。しかも、ちょっとお高い王室御用達のお店のもの。

 まぁ、封は切られていて、少しだけお菓子の端っこが欠けていたりして、本当に毒味したんだなぁという痕跡があって、なるべく早く食べ切らないといけなかったけど・・・

 焼き菓子はどれも美味しかった。さすが、王室御用達のお店です♪



__________


 いちゃもんの先輩達じゃなくて、ネイサンにあっさり返り討ちにされた、かつあげの三人組先輩達の末路ですね。
しおりを挟む
感想 175

あなたにおすすめの小説

妹に婚約者を奪われたので妹の服を全部売りさばくことに決めました

常野夏子
恋愛
婚約者フレデリックを妹ジェシカに奪われたクラリッサ。 裏切りに打ちひしがれるも、やがて復讐を決意する。 ジェシカが莫大な資金を投じて集めた高級服の数々――それを全て売りさばき、彼女の誇りを粉々に砕くのだ。

誰にも信じてもらえなかった公爵令嬢は、もう誰も信じません。

salt
恋愛
王都で罪を犯した悪役令嬢との婚姻を結んだ、東の辺境伯地ディオグーン領を治める、フェイドリンド辺境伯子息、アルバスの懺悔と後悔の記録。 6000文字くらいで摂取するお手軽絶望バッドエンドです。 *なろう・pixivにも掲載しています。

【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜

真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。 しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。 これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。 数年後に彼女が語る真実とは……? 前中後編の三部構成です。 ❇︎ざまぁはありません。 ❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

(完)なにも死ぬことないでしょう?

青空一夏
恋愛
ジュリエットはイリスィオス・ケビン公爵に一目惚れされて子爵家から嫁いできた美しい娘。イリスィオスは初めこそ優しかったものの、二人の愛人を離れに住まわせるようになった。 悩むジュリエットは悲しみのあまり湖に身を投げて死のうとしたが死にきれず昏睡状態になる。前世を昏睡状態で思い出したジュリエットは自分が日本という国で生きていたことを思い出す。還暦手前まで生きた記憶が不意に蘇ったのだ。 若い頃はいろいろな趣味を持ち、男性からもモテた彼女の名は真理。結婚もし子供も産み、いろいろな経験もしてきた真理は知っている。 『亭主、元気で留守がいい』ということを。 だったらこの状況って超ラッキーだわ♪ イケてるおばさん真理(外見は20代前半のジュリエット)がくりひろげるはちゃめちゃコメディー。 ゆるふわ設定ご都合主義。気分転換にどうぞ。初めはシリアス?ですが、途中からコメディーになります。中世ヨーロッパ風ですが和のテイストも混じり合う異世界。 昭和の懐かしい世界が広がります。懐かしい言葉あり。解説付き。

魅了から覚めた王太子は婚約者に婚約破棄を突きつける

基本二度寝
恋愛
聖女の力を体現させた男爵令嬢は、国への報告のため、教会の神官と共に王太子殿下と面会した。 「王太子殿下。お初にお目にかかります」 聖女の肩書を得た男爵令嬢には、対面した王太子が魅了魔法にかかっていることを瞬時に見抜いた。 「魅了だって?王族が…?ありえないよ」 男爵令嬢の言葉に取り合わない王太子の目を覚まさせようと、聖魔法で魅了魔法の解術を試みた。 聖女の魔法は正しく行使され、王太子の顔はみるみる怒りの様相に変わっていく。 王太子は婚約者の公爵令嬢を愛していた。 その愛情が、波々注いだカップをひっくり返したように急に空っぽになった。 いや、愛情が消えたというよりも、憎悪が生まれた。 「あの女…っ王族に魅了魔法を!」 「魅了は解けましたか?」 「ああ。感謝する」 王太子はすぐに行動にうつした。

(完)貴女は私の全てを奪う妹のふりをする他人ですよね?

青空一夏
恋愛
公爵令嬢の私は婚約者の王太子殿下と優しい家族に、気の合う親友に囲まれ充実した生活を送っていた。それは完璧なバランスがとれた幸せな世界。 けれど、それは一人の女のせいで歪んだ世界になっていくのだった。なぜ私がこんな思いをしなければならないの? 中世ヨーロッパ風異世界。魔道具使用により現代文明のような便利さが普通仕様になっている異世界です。

彼女はいなかった。

豆狸
恋愛
「……興奮した辺境伯令嬢が勝手に落ちたのだ。あの場所に彼女はいなかった」

処理中です...