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しおりを挟む「あ、そうそう。それそれ。なーんか、変な噂が立ってんぞ? ハウウェル」
噂、か・・・
変な、そして悪意のある噂というなら、あんまりよくない噂なんだろうな。
「うむ。まぁ、あれだ。ハウウェルの家族仲が悪いだとか、疎まれているなどという、そんな噂が出ていたぞ」
「レザン君っ!?」
レザンの言葉に、なぜか慌てるライアンさん。
「ふぅん……まぁ、その程度ならどうってことないかな」
「え?」
「いや、どうってことあるだろ!」
「……そこは、もう少し気にするべきだ」
三者三様の応え。
「そう、かな? だって、セディーは兎も角、両親と不仲……というか、わたしがあの人達に疎まれているのは事実だからね」
「ぅえ? ちょっ、ハウウェル? それ、こんなとこでしていい話じゃなくねっ? 人目あるし、俺ら部外者よ? そんな軽々しく……」
「軽々しいもなにも、我が家の不仲は今に始まったことじゃないからね。ある程度うちとお付き合いのある人達の間じゃ、結構有名だし。むしろ、噂が回るのが遅いと思っていたくらいだよ」
「マジかよ……?」
「マジな話だねぇ。だって、わたしが最初にあの人達に家を追い出されたのって、乳児の頃だよ?」
十五年程前からの出来事だから、知っている人は知っている話だ。今更過ぎる。
「やだっ、なんか想像以上にハードな話だったっ!?」
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「物語じゃなくて、実話だね。わたしとレザンの同級生の、辛うじて王位継承を持ってる性格の悪い王族の話。ちなみに、この国の王族じゃなくて他国の王族ね。元気にやってるといいよね」
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「うむ。今は、自国に戻らず世界一周をするのだと、あちこちに足を伸ばしているらしいぞ」
この国には、暫く来ないでほしいものだ。
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