虚弱な兄と比べて蔑ろにして来たクセに、親面してももう遅い

月白ヤトヒコ

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✐~✐~✐~✐~✐~✐~✐~✐

 午後の授業終了のベルが鳴りました。

 さて、帰りますか。

 と、教室を出てから気が付いた。

「あ、忘れてた」

 剣を、寮に預けていたことに。

 荷物も鞄に入っているし、教科書を持ったままでいい。財布も持っている。だからそのまま校門を出れば……と、思っていた。けど、剣を持たないまま外へ出るのは、なんだかとても落ち着かない。

 丸腰のときに、もしもなにかあったら……? どこか・・・へ置き去りにされたら……? と思うと、凄く不安になる。

 うん。やっぱり、剣と財布は出掛ける際の必需品だ。持っていないと、安心できない。

 仕方ないので、一旦寮に戻って預けてある剣を取りに行くことにしよう。

 ああもう、どうせ戻るなら教科書とかも置いてこうかな?

 いそいそと寮へ向かい、寮のラウンジで預けた剣の受け取り手続きをする合間に部屋へ行って教科書を置く。

「え~と、なんか他に忘れ物は無いよね?」

 戸締りを確認して、部屋に鍵を掛ける。

 それからラウンジで剣を受け取り、寮を出た。

 バタバタしながら校門へ向かうと、既に外には馬車が幾つも停まっているのが見えた。

 長くなりそうな渋滞の気配に溜め息を吐いて、うちの馬車を探す。

 今日は確か、いつも使っている地味な作りの馬車じゃないらしい。

「ネイトーっ!?」

 と、なんだかものすっご~~く聞き覚えのある声に振り返ると、

「こっちこっち!」

 にこにこと満面の笑みでわたしへ手を振る――――

「・・・セディーっ!?」

 なんでここに? と思っていると、

「あのおにーさん誰? ハウウェルの知り合い? めっちゃ笑顔じゃん」
「へ?」

 セディーに驚いていると、横合いからぬっと現れたのはテッド。

「ふむ。あれは、ハウウェルの兄君ではなかろうか?」


__________


 すみません。短いです。

 そして、暫く更新時間が安定しないかもです。
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