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しおりを挟むわたしの勝ちだ!
「おーおー、面倒そうな先輩達を見事に撃退しちまったな。なんつーか、ハウウェルって……結構おっかねぇこと、しれっと平気な顔で言うよなぁ。マジでヒヤヒヤしたわ俺」
「フッ、それがハウウェルの持ち味で面白いところじゃないか!」
なぜかレザンが嬉しそうに胸を張る。
「いや、別にわたし面白くないし」
あと、あの野郎共がセディーのこと悪く言うから・・・ちょっと熱くなってしまった。
う~ん……要反省かな? 後悔はしてないけど。
「絡まれたから対処しただけだし」
「いーや、ハウウェルは大分面白い奴だ。で、やっぱりハウウェル様って呼んだ方がいいのか? ちなみに爵位なんかは?」
なんか、テッドの中でわたしの評価が変な奴で固定されたような気がするのは、気のせいだと思いたい。
「一応、しがない子爵令息だからね。しかも次男だし。別にこれまで通りに呼び捨てで構わないよ」
お祖父様は侯爵位で、セディーがその侯爵位を継いだら、一応は侯爵弟になる予定だけど。
「ちなみに、かなりフランクだけど、レザンも貴族だよ? な、レザン」
「うむ。我がクロフト家は、伯爵位持ちだな。言ってなかったか?」
「「え?」」
と、今度はテッドもリールと二人でぎょっとしたようにレザンへ視線を向ける。
「あれ? テッドも聞いてなかったの?」
知らなかったなら、思ったよりもクロフト家の爵位が高くて驚いてるのかな?
「聞いてねぇぞ!」
「うん? そうだったか? まぁ、実家が伯爵位でも、俺自身は気楽な三男だからな。どこぞの家に婿入りでもしない限りは、あと数年で平民確定だ。婚約者も特にいないから、気にする必要は全く無いぞ? なぁ、ハウウェル」
「そうだね。爵位を継ぐ嫡男や複数の爵位持ちの家でもなければ、貴族の次男以下なんて大概はそんなもんだからねぇ。ま、だからこそ、貴族扱いにやたら拘る人もいるんだけど。わたしは別に、どうでもいいかな?」
「うむ。俺も、そういうのは割とどうでもいいな」
「そういうもん、なのか?」
テッドが驚いたような顔で聞いた。
「う~ん、レザンとわたしはかなりフランクな方だと思うから、一概に貴族の次男以下がこうだとは言い切れないんだけどね」
「要は、人それぞれということだな!」
「そういうことだね」
「全く参考になんねぇよ」
顔を顰めるテッドに、こくこくとリールも頷いている。
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