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 それを、他人がどう思うかは別、と言ったところ。

「なんか、ハウウェルの苦労がしのばれる気がするぜ」
「うむ。ハウウェルは、色々と大変だと思うぞ」

 テッドの言葉に深く頷くレザン。それを、お前が言うなという呆れ気味の視線を向けつつ、

「ぁ~、そう言や、紹介がまだだったな。そこの勘違い君は上位クラスに通う平民で」

 露骨に話を逸らすテッド。

「リール・グレイだ。リールでいい」

 昨日の勘違い君、もといリールが応える。

「上位クラスか。道理で見覚えが無いワケだね。わたしはネイサン・ハウウェル。普通クラスの男子・・だよ。ネイサンでもハウウェルでもお好きに」
「その節は、悪かった」

 苦虫を嚙み潰したような表情で逸らされる顔。

「ま、さっきも言った通り、あんまり気にしてないから。君もそんなに気にしなくていいよ」
「うむ。故意に・・・間違わない限り、ハウウェルが噛み付くことはないらしいから、そう警戒することはない。もしハウウェルが噛み付くとしても、人目のある場所ではそう無体な真似もしない筈だ」

 キリっとした表情でなんか言っている無神経な脳筋。ホント、コイツは・・・

「・・・」
「いやもうお前少し黙ってろレザンっ!?」
「うん? さっきから元気だな、テッドは」

 元気というか、ツッコミだ。あと、多分だけどテッドは緩衝材になろうとしているんだと思う。昨日みたいにならないように。まぁ、レザンのせいで台無しだけど。

「ハウウェル……は、そんなに信用が無いのか?」

 そして、レザンのせいでわたしは、リールに胡乱うろんげな眼差しを向けられている気がする。

「信用どうこうではないぞ? ハウウェルの習性のようなものだ。誰だって、嫌なことをされたら気分を害するだろうに」
「だから、現在進行形でお前がわたしの気分を害しているんだけどな。そして、わたしの評判がどんどん落とされている」
「なんだと? 一体誰だ? ハウウェルの評判を落としている奴は」
「お前だよっ、いい加減気付けっ!?」
「なにっ!?」

 テッドのツッコミに驚く無神経な生物。

 そうやってわちゃわちゃしていたら――――

「……ハウウェルって、去年上位クラスにいた先輩の弟か? 確か、やたらお勉強会を開いていた」
「ハッ、さすがハウウェル。兄弟揃って平民なんかの相手をしてやるとは、お優しいことで」
「まぁ、弟の方は、あの先輩の方とは違ってできが悪そうだけど」
「幾ら普通クラスだからって、上位クラスの平民に媚びるか?」
「前に先輩の方にも忠告はしたけど、付き合う奴は選んだ方がいい」
「評判が大事ならな」

 なにやら、貴族らしき上級生二人に絡まれました。思い切り、見下されていますねぇ……

「……どうする? ハウウェル……」

 ぼそりと、低い声でレザンが聞いて来た。
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