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「っ!? 僕の弟が、ネイトが天使過ぎるっ!!」
「っ!?」

 がばっと、感極まったようなセディーにぎゅ~っと抱き付かれた。

「いや、ちょっ、セディー? 天使は、ちょっと……アレなんじゃないかな?」
「誰がなんと言おうと、ネイトは可愛いっ!!」
「ぇ~、セディー?」
「……ネイトの可愛さは……誰にも、負けない……」

 と、小さな呟きが聞こえて、ぐったりした重さが寄り掛かる。

「セディー?」

 呼んでみたけど、返事が無い。

「もしかして、寝ちゃった?」

 ぽんぽんと背中を叩くも、反応が無い。静かな寝息が聞こえて来る。

 どうやらセディーは、寝落ちしてしまったらしい。もしかしたら、少し寝けていたのかもしれない。

 時計を見ると、もう午前一時を過ぎていた。

 わたしはお昼前から夕方まで寝ていたけど、朝から今までずっと起きていたらそりゃあ眠くもなるだろう。

 セディーは、朝早くからわたしを待って楽しみにそわそわしていたとおばあ様が言っていたし。まぁ、着いて早々、わたしはごはん食べて寝ちゃったワケなんだけど。

 ちょっと悪いことした気分だ。

 それにしても、寝落ちしたセディーは、小さい頃振りに見たかも。懐かしい。

「よ、っと」

 わたしにもたれ掛かるセディーをぽふんとベッドへと寝かせるが、やっぱり起きない。

 小さい頃にも、まだ眠くないと言って遊んでいたのに、いきなり寝落ちしたことがあったっけ?
 呼んでも揺すっても、ぺちぺち叩いてみてもセディーは全然起きてくれなかった。
 仕方なくベッドの上でセディーをころころ転がして、下になっていた毛布を一生懸命引っ張り出してセディーに掛けてから、部屋を出た覚えがある。
 三つも年上の、自分よりも身体の大きい、寝てるセディーを転がすのは、当時はなかなか大変だったなぁ。一仕事終えた気分で自分の部屋まで戻ったものだ。

 今日はセディー、少しはしゃいでたみたいだから疲れたのかもしれない。

 今はセディーとも体格が然程さほど変わらない(セディーの方が少し背が高いけど、多分体重はわたしの方が重い)し、訓練で伸びた意識の無い野郎共を担ぐのは慣れてしまったからなぁ。それに比べれば、大した労力でもない。

 セディーは汚れてないし、汗臭くもないし。

 あ~、でも・・・

 なんかわたしも、段々眠くなって来たな・・・

 瞼が、重くなって来る。

 セディー、どうしよう・・・?

 とりあえず、毛布を被せれば・・・大、丈夫・・・?

 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・
 ・・・

__________


 ネイサンの方が重いのは、普通に筋肉です。セディーはもやしっ子なので。(笑)
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