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「あらぁ? なにかしら?」

 にっこりと、わざとらしく二人に笑顔を向けるおばあ様。ちょっと声がイジワルです。

「ネイトを独り占めしようとしたお二人さん? どうしてもと言うなら、交ぜてあげてもよろしくってよ? なにか仰ることは?」
「ぅ、すまん。入れてくれ」
「すみません、おばあ様。僕も入れてください」

 おばあ様は、やっぱりお強いですねぇ。

「ふふっ……では、なにをしましょうか?」
「まぁ、最初はババ抜きでいいんじゃないかしら?」
「わかりました」

 と、トランプを四人分配った。

 ババ抜きは、カード次第で勝敗が決まる。
 ときには、一度もカードが引かれることなく上がってしまうこともあった。
 ラッキーでしたね、お祖父様。
 人数が減ってからの一騎打ちでは、おばあ様とセディーが強いかな? おばあ様のポーカーフェイスと圧力、にこにこと笑みを崩さないセディーの勝負は見ていて面白い。
 一騎打ちだとお祖父様は・・・まぁ、なかなか判り易い、とだけ。

 七並べも、勝敗はカード次第かな。
 端っこのカードしか持ってないとキツいよね。
 カードをよく止めて微笑んでいるのはおばあ様。
 悔しげな顔をよく見せているのはお祖父様。
 七並べは、なにげに性格が出るゲームだと言われていますよねぇ?

 神経衰弱はセディーが断トツ。
 カードを捲る度にセディーが取って行って、他はあんまりカードが取れなくて、すぐに他のゲームに移った。
 すっごく記憶力良いんだよね、セディーってば。羨ましいなぁ。

 スピードは、わたしが断トツ。
 次いで、お祖父様が強いかな?
 セディーは・・・うん。なんか、残念な感じ。
 これもすぐに他のゲームになった。

 別に特に罰ゲームやご褒美があるワケでもないけど、なかなかに盛り上がって――――

 数時間後。

「そろそろ終わりにしましょうか」

 呟いたおばあ様に、

「なに? まだいいではないか」

 お祖父様が不満そうに返します。

「あなた、明日も早いんじゃありませんこと?」
「そうですよ、お祖父様。それなら早く寝た方がいいですよ」
「お祖父様、遊んでくれてありがとうございました。あんまり無理はしないでくださいね」
「むぅ・・・仕方ないな。では、これが最後の勝負だ」

 と、カードゲームを終わらせた。

✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰

 はぁ……楽しかった。

 みんなでカードゲームをしたのはかなり久々だ。

 入学前は、ずっと学園の予習。勉強勉強で全く遊ぶことはしなかったし。
 そもそもそれ以前は、セディーもわたしも別々の学校で・・・みんなで揃うこと自体が難しくて、珍しかったからなぁ。

 部屋に向かう廊下の途中で、

「ネイサン様、お帰りなさいませ」

 にこりと微笑んでわたしに頭を下げるのは、わたしの乳母だった女性。

「ただいま」

__________

 まぁ、家族で集まったらカードゲームは定番かな? と。(笑)
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