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しおりを挟む「そうなの?」
「僕のことはもういいでしょ!」
そんなことはないんだけどな?
セディーの学生時代の話を聞くのも新鮮で面白いし。今度乗馬するときに、一番のんびりした子を探して乗ってみようかな?
「それより、ネイトはレザンって子の他に友達はできたの?」
思いっきり話を逸らす気だ。まぁいいけど。
友達は・・・なんだかんだレザンの野郎が絡んで来るせいで、わたしまで若干同級生に遠巻きにされている気がするからなぁ。あくまでも、若干の遠巻きだ。レザンのようにあからさまに避けられる程ではない。
まぁ、乗馬クラブではその限りじゃないけど。今は同級生達と仲良くというよりは、学年を越えたお付き合いの方が多いかもしれないな。学年が違うと、レザンの噂も届いてないみたいだし。同級生達みたいに怖がられてもいないから。
う~ん。同級生に遠巻きにされているなんて、話せないよなぁ。心配はなるべくさせたくないし。
「ああ、そう言えば、ライアン・フィッセル先輩がわたしによくしてくれたよ。セディーにお世話になったからって。テストの前に勉強を見てもらったんだ」
「へぇ、ライアン君が・・・」
? なんだか、セディーの声が急にトーンダウンした気がしたけど・・・
「セディー?」
今一瞬、不機嫌そうに見えたような・・・?
「それじゃあ、僕がネイトの勉強を見てあげるね」
にっこりといつもの笑顔。
「え?」
気のせい、かな?
「ライアン君よりも、僕の方がネイトに教えるのは絶対上手いから」
「いや、セディー? なんでいきなり勉強? わたし、一応自分でするけど」
教科書なんかは持って来てないけど、セディーのお古はあるから予習復習は自分でできる。
「自分でするの? ・・・ネイトは、僕に勉強を教わるのは嫌?」
しゅんと悲しげに伏せられるブラウンの瞳。いやいや、そんな顔をされても・・・
「そんなことはないけど、セディーだって忙しいでしょ?」
次期侯爵になる為の勉強とか。父を追い落とす為の、三年間の期限だとか。セディーがすっごく優秀なのはちゃんと判ってるけど・・・
「わたしに構ってって大丈夫なの? わたし、セディーの邪魔はしたくないよ」
「全然平気。問題無いよ」
にっこりと微笑むセディー。
「でも・・・」
「ふふっ、もう仕方ない子ね。そうじゃなくて、ネイトと一緒に過ごしたいんだ、ってちゃんと素直に言えばいいことでしょ」
クスリと優しい瞳で笑うおばあ様に、つぅっと逸らされるブラウン。その耳まで赤くなっている。どうやら図星だったらしい。
セディーも、おばあ様には勝てないみたいだ。
「ネイトも、別にセディーに遠慮なんかしなくていいですよ。どうせセディーは、ネイトに構いたくて仕方ないんですから。セディーと遊びたいなら、遊びたいと仰いなさい」
勿論、わたしもおばあ様には勝てませんが。
「っ……僕と、一緒に、いてくれる?」
__________
ブラコンの嫉妬。(笑)
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