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しおりを挟む概ね平和、かな?
まぁ、極些細な、ちょっとだけ物足りないこともあって・・・身体を動かす授業が少ないので、運動不足になりそうな気がする!
身体が鈍ると落ち着かないので、時間があるときには一応剣を振ってる。学園内での帯剣は禁止で、特別な許可(王族なんかの護衛とか)が必要なので、木剣をだけど。そして、学園内をランニングとか。
面白いのは、わたしの後を付けて来る連中かな? 人前で剣を振るのはちょっとどうかと思うので、男子寮のあまり人目に付かない場所へ移動すると、誰かが付けて来る気配がして、木剣を振っていると逃げて行くんだよねぇ。そうじゃなければ、ランニング中にへばって脱落して行く姿とか、笑える。
あれかな? わたしに因縁でも付けようと思っていたけど、木剣にビビッて逃げたという感じかな? ランニングでは、単純に追い付けないみたいだし。
そう、思っていたら・・・
「ハウウェル……? ネイサン・ハウウェルじゃないか! こんなところで会うとは奇遇だなっ!?」
と、聞き覚えのある声がした。
マジ勘弁してほしいんだけどっ!?!? と思いながら、声のした方を恐る恐る振り返ると――――
騎士学校の同級生で、三年間ずっと主席だった奴がいた。
わたしに練習試合を申し込む為に、寮の部屋の前で一晩中待っていたバカ。
その後、朝っぱらからわたしを演習場まで引き摺って行って負かした挙げ句、「いつもより弱いな」だとか言った、脳筋野郎。
さっぱりとした短髪の黒髪に、整ってはいるが三白眼気味の緑の瞳。体格のいい長身の男。
「どうして卒業パーティーに出なかったんだ? 折角家族に紹介しようと思ったのに」
そういうのが嫌だから、卒業パーティーに出なかったんだよ!
「人違いですっ!? どなたかとお間違えでは? それでは失礼!!」
「ハハハっ、ハウウェルは相変わらず面白い奴だな! どこからどう見てもハウウェルじゃないか。どうだろう、再会を祝して久々に打ち合いをしようじゃないか!」
チッ、駄目かっ!?
「嫌です!」
と、即行で踵を返してダッシュした。が、コイツは脳筋の体力おばけ。
「なんだ、ハウウェルはランニングをしたかったのか。そうか、付き合うぞ」
爽やかな笑顔で、ピッタリと並走された。
相っ変わらず、話が全く通じねぇっ! これだから脳筋野郎は嫌いなんだ……っ!?
頑張って走ってみたけど、全然撒けず――――
結局、わたしの方が先にへばりました。
「はぁ~~・・・それで、なんで君がここに? レザン・クロフト」
__________
騎士学校時代のお友達登場。
なんかいいキャラしてたんで、出してみました。脳筋君です。(笑)
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