虚弱な兄と比べて蔑ろにして来たクセに、親面してももう遅い

月白ヤトヒコ

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 テスト、頑張りました。

 まぁ、そこそこできたと思う。多分下位クラスにはなっていないと・・・いいな?

 あれが、「クラス分けのテストは基礎ばかりだし、そんなに難しくないから大丈夫だよ」って・・・さすがセディーだよね。

 わたし、ちゃんとしっかり勉強してなかったらあんまり(目算で六割程度しか)解けてませんからね?

 ちなみに、テストの正解率が満点から約九割……刻むと八割五分以上くらい? だと上位クラス。
 八割以下から約五割くらいなら普通クラス。
 正当率が四割未満なら、大体下位クラスになってしまうんだそうです。

 セディーは毎回、テストで九割方正解・・・

 ホントもう、すっごく羨ましいよっ!?

 で、テストが終わると講堂に移動して、新入生の為のオリエンテーション。

 普通の学校は、入学式の日にオリエンテーションをすることが多いと思うけど、この学園は新入生及び、転入生は翌日に即行でクラス分けテストだから、入学初日は式が終わると自由時間となっているんだよね。
 自宅から登校する人なんかは、式が終わるなりさっさと帰宅する人もいたけど、残って勉強している人達もいた。

 この自由時間を、テスト勉強にてない強者もいるみたいだけど、それは・・・セディーみたいに、余裕のある人とか、下位クラス上等! と、開き直って笑っている人か、うふふあははと現実逃避している人達くらいなものだ。

 余裕な人はそれでもいいけど、開き直りや現実逃避は・・・かなりヤバいと思いますっ!!

 そして持ち上がり組の一年生はこの二日は自由時間になっているらしい。転入生じゃない二、三年生も既に学年末テストでクラス分けが決まっているから同様。

 オリエンテーションが終わると、親類縁者や知人友人と交友を深めるもよし、校内を見学して回るもよし。

 わたしは、セディーの卒業パーティーで紹介された、セディーの後輩(わたしからすれば先輩)の人達に囲まれています。

 ハウウェル先輩セディーに勉強を見てもらったお陰で成績が上がったので、その恩返しとしてハウウェル先輩の弟わたしの様子を見に来てくれたそうです。
 そういえば、わたしの勉強を見る為の練習だと言って、後輩の勉強を見てあげたとかセディーが言ってたなぁ。そのお陰で、いい先輩という評価が付いて来た・・・だとか。

 その後輩さん達ですか。

「セディック兄上がお世話になりました」

 と言っておく。すると、

「ハウウェル先輩にお世話になったのは自分達の方だから、困ったことがあったら頼ってほしい」

 そう言われました。

 どうやらセディーは、結構いい先輩でなかなか慕われているみたいだ。ちょっと誇らしい。
 そんなセディーのお陰で、わたしにも先輩達に好印象のようだ。ありがとう、セディー。

 と、先輩たちに囲まれるというそんな中――――

「っ……確かに、綺麗さでは負けたわっ……でも、可愛さならわたしの……方がっ……」

 なんだかとても悔しげな、低く抑えた女性の声が聴こえた気がした。

「?」

 辺りを見回してみると、わたしの方へ強い視線を向けている女生徒がいて……ふっ、とすぐに別のところへ行ってしまった。

 なんだったんだろうか?

 そしてその翌日、クラス分けが発表された。

 わたしは・・・普通クラスだった。一応、少なくとも七割くらいは正解している目算だったから、ほっとした。

 テスト結果は、全体の……大体三分の一辺りの順位かな? 中の上から上の下くらいにいるといったところだろうか。

 セディーに比べたらちょっとあれだけど、そんなに悪くない筈だ。とりあえずは、この成績をキープしなきゃね。

**********
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