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番外。セディー視点8
しおりを挟む夜に、とてとてと軽い足音がしたらネイトが僕のところに来てくれる。
ネイトはまだ小さいからドアノブに手が届かない。なのに、ドアが開いてぽてぽてとネイトが部屋に入って来るのだから、誰かがネイトを連れて来てくれているのだろう。
それは多分、ネイトの乳母なんだろうなぁ。
ちゃんと話したことはないけど、彼女はいい人だと思う。だって、彼女に育てられているネイトが、すっごくいい子なんだもん。
だから僕は、母が部屋を出て行った後にそっとドアを小さく開けておくことにした。
ネイトが来てくれるのを期待して。
ネイトは小さいので、多分寝てしまっていることも多いのだろう。
僕の体調も兼ねて、大体三、四日に一度くらいのペースで会いに来てくれた。
最初はちょっと話したら帰ってしまっていたけど、段々と部屋にいてくれる時間が増えていった。
ネイトがおねむになるまでの時間だけど。
もしかしたら、ネイトの乳母が僕の様子を窺っていたのかもしれない。
僕はネイトに意地悪なことなんてしないけど、仲の良くない兄弟というのもいるらしい。前に、意地悪なお兄さんが弟をいじめるという話の本を読んだことがある。
なんだっけ? 兄弟や家族同士でけーしょーけんやらお金での争いがどうのこうので、仲の良くない家族というのは、貴族の家ではあまり珍しくないそうだ。
僕には、よくわからないけど……
でも、ネイトが可愛いのは事実だ。
あんな可愛い弟を僕が嫌うだなんて、絶っっ対にありえないっ!!
僕はネイトのお兄様で、すっごく可愛いネイトのことがとってもとっても大好きなんだから。
きっと、ネイトの乳母も僕がネイトを可愛がっていることをわかってくれたのだと思う。
ネイトが、数日ごとにでも僕の部屋に来てくれるのが、その証拠だと思う。
そんな風にして、夜にネイトと過ごして――――
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