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しおりを挟むわたしの卒業したあの騎士学校は、軍閥の子息が多く通う学校ではあるけど、やらかした貴族子息達の更生を担う側面を持つ場でもある。
わたしは、その場所に三年間いた。
わたしはその間に、いろんな奴を見て来た。
まぁ、比較する場所が少々極端なのかもしれないが……でも、本当にいろんな奴がいたんだよね。
マジで……普通に、わたしよりも酷い家庭環境の奴も何人かいたし。その全員が歪んでいて性格が悪いかというと、そうでもなかった。
両親に愛されていて、とても恵まれた環境に育ったというのに、クズみたいな性格の奴もいたし。
わたしに絡んで来た馬鹿共の中には、三年の間に愚か者から脱却した奴だっていた。
まぁ、良くなる奴もいれば、どんどん悪くなる奴だっていたんだけど……
だから、父と母がああなったのは、本人の責任が多分に含まれていると思うんですよね。
自業自得というか・・・
自分達で言うのもなんだけど、わたしとセディーもなかなかの環境だったと思うし。
それでも、酷くは歪んでいないと、そう思っている。腹黒だと言われるのは、まぁ……ご愛嬌というやつだろう。それはもう、しょうがない。
そして、両親以外の人達に恵まれたことは、わたし達にとっては本当に幸運なことなのでしょう。
お陰で、愚か者にはなっていないと思う。
なのでわたしは、お祖父様とおばあ様を筆頭に、周囲の人達に深く感謝をしています。
両親がアレだったお陰で、わたしはクロシェン家に預けられて・・・スピカとも出逢えましたし。おばあ様に感謝ですよね。
クロシェン家に預けられてなかったら、ものすっご~く捻くれている自分しか想像できない。
だから、お祖父様とおばあ様に謝られると、なんだか困ってしまうんですよねぇ……
セディーも、ちょっと困ったような顔してるし。
そんな風にして、お祖父様とおばあ様と、これからを決める話し合いをして――――
これから三年を目途に、父を子爵位から下ろす予定となった。
一応は、あくまでも予定、だ。
わたしが高等部を卒業するまでに、セディーが今現在父のこなしている実務を不備なくこなせるようになったら、お祖父様が実際に父を子爵位から下ろして、セディーを後継として発表するのだとか。
三年以内という期限は、少しセディーには厳しいかもしれないとのことだけど、これがお祖父様の妥協点なのだとか。
三年を目途にとは言え、それ以上に時間が掛かってもお祖父様は構わなさそうだ。
むしろ、もっと時間が掛かることを期待しているようにも感じる。
お祖父様的には、父を引き摺り下ろすまでの期間が延びることは、それだけセディーやわたしに対する負担が先延ばしになると思っているみたいだし。
セディーはやる気満々。
おばあ様は、セディーを応援してくれるようだ。
わたしは・・・とりあえずは、高等部を卒業するのが先だろうなぁ。
なるべくいいは成績を取りたい。
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