上 下
152 / 179
遊び場。

ハロウィン企画。※絵も無いというのにコスプレさせてみたっ!?本編とは全く関係ありません。

しおりを挟む
「問題アリ…ハロウィン企画。登場人物達にコスプレ衣装を着せてみました。開始し致します」

 クラシカルな海賊船長という衣装に身を包んだ男性が舞台上でスポットライトを浴び、華麗にお辞儀をする。銀髪、銀灰色の瞳に涼やかな白皙はくせきおもてをした三十代半ば程に見える男性の、耳に心地よい低い声が会場へと響き渡った。

「ということで、本日司会を務めさせられているのはわたし。アダマス家現当主こと、ローレル・ピアス・アダマスです。ちなみに、わたしの衣装はフック船長となっているそうです。理由は、イリヤの糞爺クソジジイがピーターパンだから。とのことです」
「は? なんで僕がピーターパンなんだ? おかしいだろ?」

 舞台の端から、緑の子供服の上下に羽の付いたとんがり帽子を被り、不機嫌な顔をした黒髪に金眼きんがんの妖艶な美少年が出て来て言う。

「理由・・・ああ、ピーターパンのモデルは、アイルランド地方に伝わる子供の魂を専門に刈り取る死神だそうなので、ある意味ピッタリですね。はい、緑の上下と緑のとんがり帽子で辱しめを受けた、御歳おんとしウン万歳の若作り爺でした」
「誰が辱しめを受けた若作り爺だっ!?」
「ああ、あれだ。とっとと消え失せろ? 糞爺。つか、手前ぇとコンセプト統一衣装とか、俺もいい迷惑だぜ・・・とっととくたばれ糞爺が…」
「…喧嘩売っているんだよな?ローレル」

 瞳孔が縦に長い金色の瞳がローレルを睨む。

「はい、五月蝿うるさ耄碌もうろく爺は退場。次の方どうぞ」
「誰が耄碌爺だ!」

 文句を言いつつも退場するイリヤ。

「あ? 俺か?」

 オレンジに近い短い金髪、深緑の瞳によく日に焼けた肌。その裸の上半身に毛皮をまとい、金属製の角のあるかぶとを被り、刀身の反り返った片刃の大剣を持ち、野生味を感じさせる長身の偉丈夫いじょうぶが舞台へ上がる。

「はい、次はスティング・エレイス。衣装は、古式床しい北欧のヴァイキング。毛皮の鎧に金属兜、大きな曲刀がその巨躯きょくにとてもよくお似合いです」
「応。船が欲しいところだな」

 曲刀を担いで颯爽と退場するスティング。

「はい、次の方」
「僕、でしょうか? 眼鏡が無いので視界が…」

 日本人ならお馴染み、黒い詰襟を改造して丈を短くした俗に言う短ランを纏い、ミルクティー色の髪をオールバックにした、視線だけで人を射殺せそうな程目付きの悪い男が、よたよたとどこか覚束無い足取りで舞台へ上がる。

「フェンネル・アダマス。アダマスの次期当主の衣装は、詰襟短ラン、オールバックのメンチ切ってるヤンキーだそうです。フェンネルは弱視でド近眼の為、眼鏡が無いと壮絶に目付きが悪いですね。ちなみに、フェンネルの瞳の色は灰色の瞳孔が浮かぶセピア色ですが、本物のヤンキーがメンチ切っているのを直視すると喧嘩を売られたと思い込む習性があるので、あまり見ないように気を付けましょう」
「メンチ? ヤンキーとはなんでしょうか?」

 首を傾げながら、物凄い目付きと覚束無い足取りで退場して行くフェンネル。

「はい、次の方」
「あー…男に呼ばれても嬉しくねー…」

 パカパカと四足歩行で重たそうな四角い箱を引きながらやって来たのは、紫がかった黒髪に蘇芳すおうの瞳。その右目の下に泣き黒子ぼくろ、褐色の肌の上半身に古代ギリシャの白いトーガを纏った男が舞台へ上がる。その下半身は、紫がかった漆黒の毛並の馬となっている。

「トゥエルナキス・デザイン・ヴァイオレット。通称色欲バカ…失礼、トールです。衣装は、説明の通りトーガを纏ったケンタウロスですね。サテュロスと、馬頭メズどれにしようか迷い、他の候補二つよりもメジャーなケンタウロスになったそうです」
「はぁ…この中途半端な形態、本編では絶対出て来ねぇし。つか、こんなの普通にできねぇから。これ、ハロウィン特別使用。男相手に話すのも今回が特別だから! 俺は普段、女としか話さねぇっ!」
「そして、彼が引いている棺からもう一方」

 ガタンと棺が開き、中から現れたのは波打つ黒髪、紫に金色の混ざるアメトリンの瞳、濃い蜜色の肌を包帯でグルグル巻きにして隠した妖艶且つ蠱惑こわく的、色気溢れる美少年。

「やあ」
「クラウド・ナイトメア。衣装はミイラ男です」
「ふふっ、実は…ミイラ女でもあるのよ♥️」

 パチンと流し目でウインク。あっという間に体型と性別が変化。色気が垂れ流し、そして包帯の隙間から蜜色の肌があられもなく露出する。

「美人のお嬢さんキターーーっ!?」
「はい、色欲バカが煩いですね。彼女はルージュエリアル・ナイトメア。包帯が危ない感じに弛んでしまったので、さっさと直してください」
「あら、失敗しちゃった♥️早く運んで?」

 ルーの一言で馬の脚が舞台を蹴り、物凄い速度で棺を引いて退場して行った。

「さあ、次の方どうぞ」
「シュール過ぎやしないか?これ・・・」

 そう言って舞台へと上がったのは、くすんだ金髪に緑灰色の瞳、端正ながらも野生味を感じさせる容姿に警備員の制服を纏った長身の男。そして、その男が運ぶガラスのショーケースの中には、鼻筋に疵痕きずあとの走った灰色の狼が微動だにせず立っている。

「・・・」
「レオンハルト・エレイス。そして、クレア・エレイスの狼親子。衣装は博物館の警備員と、その展示品の剥製はくせいの狼だそうです。レオンハルトの言う通り、かなりシュールなコスプレです」

 ガラガラとクレアの入ったガラスケースの乗ったキャスターを押して退場するレオ。

「さあ、次の方々どうぞ」
「急がなくては」
「・・・っ」

 時計を確認して舞台へ上がるのは黒に近いダークブラウンの髪に、左右で色の違う黒と青のオッドアイ、白いウサ耳を付けたキリッとした和風美少年。更に、そのウサ耳和風美少年を追うように舞台へ上がるのは、ライトブラウンのロングヘア、ミルキーなターコイズの瞳で、顔を真っ赤にして青と白のエプロンドレスを纏った美少女。

「椿の息子、そしてわたしの孫に当たる瀧元たきもと龍胆リンドウ・ブライト。そして、カイル。衣装は不思議の国のアリスと白ウサギです」
「っ…なんでっ、僕が女装をっ!?」
「男のじゃないからさせてみたそうです」
「なにその巫山戯ふざけた理由はっ!?!?」
よろしいのでしょうか? お祖父様。本編では名前すら登場していないわたしが出てしまっても」
「フェンネルが散々あの子あの子言ってたので、ビジュアルと名前だけは決まっているから出しとけ。だそうです。この後も出て来るかは不明だそうですが…まあ、気にするな。龍胆」
「…お祖父様が仰るならば・・・」
「こんな服さっさと着替えてやるっ!?」
「全員の紹介が済むまではこのままでお願いします。呉々も、勝手に脱がないように」
「はあっ!?聞いてないんだけどっ!?」
「では、失礼致します」

 真剣な顔で悩みながら歩を進める龍胆と、ぷりぷりと怒鳴りながら退場するカイル。

「次の方、どうぞ」
「俺のはコスプレ…か?」

 男物の中華服、パオを着て顔には面を被り、青竜刀を携えた男が舞台へと上がる。

緋悠ひゆう。通称ヒュー。衣装は京劇風です」
「風っつーか、俺一応中華圏出身なんだが?」
「本編ではチャイナ服を着る機会が無さそうなので、袍を着てもらったそうです」
「ま、実は袍ってのは膨大な民族の集まる中華圏の中の、一民族の衣装だからな。中華圏の人間がみんなこれを着てると思うのは間違ってンだぜ?」

 肩をすくめてヒューが退場。

「次の方、どうぞ」
「なんだかなぁ・・・」

 青みのある銀髪をオールバックに、薄い琥珀の瞳を黒のサングラスで隠し、テラテラの紫のシャツに黒スーツ。モデルガンを持った長身の男が、溜め息をきながら舞台へ上がる。

「ジン。衣装は一昔前のヤの付く自由業風です」
「なんで・・・とか、聞くだけ無駄か…」

 ジンが舞台を降りて行く。

「次の方、どうぞ」
「ったく、ヴァンパイアはそっちでしょうに…」

 蜂蜜色のハニーブロンドの長い巻き毛を後ろで括り、キリッとしたアイスブルーの瞳。フリルの付いたドレスシャツに黒い外套がいとう姿、スラリとした細身の美しい男性が小さくぼやきながら舞台へと上がる。

「アマラ・コーラル。衣装はヴァンパイア」
「なんでアタシが男の格好なのよっ!」
「本編では常に女装なので、男の格好をさせてみたそうです。あと、人魚は実は肉食なので付け牙が要らないから、だそうです」
「なによそれっ?」
「そして、万が一リクエストがあれば、アマラを本編で男の格好で出そうかと…とのことです」
「ハッ、リクエストなんざあるワケないでしょ?」

 鼻で笑ったアマラが舞台を歩いて行く。

「次の方、どうぞ」
「これ、案外重たいねー?」

 カラコロ下駄を鳴らし、しゃなりしゃなりと舞台へ上がって来るのは、白塗りの化粧を施した肌に色鮮やかな着物を纏い、結い上げたかつらに幾つも刺したかんざしがシャラシャラと鳴る。あでやかにべにの乗った唇がにっこりと笑う和風美人。

御厨ミクリヤ雪路ゆきじ。衣装は花魁おいらん
「なんかこれ、合計三十キロくらいあるんだって。びっくりだねー。しかも、もっと重たいとガチで五十キロ以上とかもあったんだってさ?昔の花魁道中って本当に大変だったんだねー。雪路太夫ゆきじだゆうでありんす、なんてねー?」

 カラコロと下駄を鳴らし歩いて行く御厨。

「次の方々、どうぞ」
「いいのかねぇ?あたしも父様も、本編じゃあまだビジュアルの描写もちゃんとはされてないってのに、こんなお巫山戯ふざけで出て来てさ?」
「いいよ。オレは姉さんと出られて嬉しいし」
「無論ですわ。椿お姉様」
「ん」

 頭からすっぽりとシーツを被った蜜色の腕が、茨に覆われたベッドを押して舞台上を進む。そのベッドに乗るのは二人。
 ベッドへ腰掛けるのは、艶やかな黒の長いストレートを背中へ流し、アーモンド型の瞳は、銀環が取り囲む漆黒。なめらかな象牙の肌に黒のタイトロングドレスを纏い、黒のとんがり帽子を被ったキツめの迫力和風美女。
 そして、ベッドへ横たわるのはクラシカルなドレスを纏うビスクドールのような人形染みた美少女。白金の長い髪に白く整った美貌、 その閉じた瞳は何色か・・・

「瀧元・椿・ブライト。そして、アレクシア・ロゼット・アダマス。衣装は眠り姫。そして、姫へと呪いを掛けた悪い魔女。シーフェイド・サルヴァトール・フラメル・アダマスは魔女の使い魔。アレク…アルと椿とシーフだ」
「わたくしもおりますわ。ローレル様」

 ベッドの後ろから、男物の軍服を着て帯剣し、長い赤毛を後ろで括ったアクアマリンの瞳の小柄な美少女が続いて歩いて来る。

「リリアナイト・ローズマリー。衣装は、眠り姫の呪いを解く王子」
「さあ、眠り姫。わたくしの口付けで貴女の眠りの呪いを解いて差し上げますわ♥️」

 クスリとイタズラっぽく笑うリリアナイト。

「待ちなさい、リリアナイト! 僕がっ」
「兄様! アンタは動くな!」
「つ、椿…」
「・・・アル。キス、要る?」
「要らんわ、普通に起きてるから!」
「アレク様♥️」

 むくりと起き上がるアルに、ぎゅっと抱き付いたリリが、その頬へとキスをする。

「むぅ…残念・・・」
「つか、お前のコスプレ雑過ぎね?」
「…シーツおばけ。…養母ははより、マシ?」
「まあ、養母かあさんはほぼだったけど…」
「アレク、そろそろいいか?」
「お、失礼。どうぞ? 父上」
「さあ、これで主要キャラが出揃いました。これにて、ハロウィン企画を終了致します。大したオチも無いのに長々とお付き合いくださいましたこと、厚く御礼おんれい申し上げます」

 ローレルがお辞儀。

「全員、舞台上へ!」

 舞台を降りた全員が舞台へ上がり・・・

「せーのっ」

 硬質なアルトの掛け声。

「「「「HAPPY HALLOWEEN!」」」」
「「「「ありがとうございましたっ!!」」」」

 以上。


 司会進行。ローレル。

 衣装制作。椿、龍胆。

 小道具制作。アル、シーフ。

 資金提供。リリアナイト、フェンネル。

 スポンサー。ローレル・ピアス・アダマス。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった

白藍まこと
恋愛
 主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。  クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。  明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。  しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。  そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。  三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。 ※他サイトでも掲載中です。

悪妃の愛娘

りーさん
恋愛
 私の名前はリリー。五歳のかわいい盛りの王女である。私は、前世の記憶を持っていて、父子家庭で育ったからか、母親には特別な思いがあった。  その心残りからか、転生を果たした私は、母親の王妃にそれはもう可愛がられている。  そんなある日、そんな母が父である国王に怒鳴られていて、泣いているのを見たときに、私は誓った。私がお母さまを幸せにして見せると!  いろいろ調べてみると、母親が悪妃と呼ばれていたり、腹違いの弟妹がひどい扱いを受けていたりと、お城は問題だらけ!  こうなったら、私が全部解決してみせるといろいろやっていたら、なんでか父親に構われだした。  あんたなんてどうでもいいからほっといてくれ!

百合ゲーの悪女に転生したので破滅エンドを回避していたら、なぜかヒロインとのラブコメになっている。

白藍まこと
恋愛
 百合ゲー【Fleur de lis】  舞台は令嬢の集うヴェリテ女学院、そこは正しく男子禁制 乙女の花園。  まだ何者でもない主人公が、葛藤を抱く可憐なヒロイン達に寄り添っていく物語。  少女はかくあるべし、あたしの理想の世界がそこにはあった。  ただの一人を除いて。  ――楪柚稀(ゆずりは ゆずき)  彼女は、主人公とヒロインの間を切り裂くために登場する“悪女”だった。  あまりに登場回数が頻回で、セリフは辛辣そのもの。  最終的にはどのルートでも学院を追放されてしまうのだが、どうしても彼女だけは好きになれなかった。  そんなあたしが目を覚ますと、楪柚稀に転生していたのである。  うん、学院追放だけはマジで無理。  これは破滅エンドを回避しつつ、百合を見守るあたしの奮闘の物語……のはず。  ※他サイトでも掲載中です。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

伯爵夫人のお気に入り

つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。 数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。 喜ぶ伯爵夫人。 伯爵夫人を慕う少女。 静観する伯爵。 三者三様の想いが交差する。 歪な家族の形。 「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」 「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」 「家族?いいえ、貴方は他所の子です」 ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。 「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。

成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~

m-kawa
ファンタジー
第5回集英社Web小説大賞、奨励賞受賞。書籍化します。 書籍化に伴い、この作品はアルファポリスから削除予定となりますので、あしからずご承知おきください。 【第七部開始】 召喚魔法陣から逃げようとした主人公は、逃げ遅れたせいで召喚に遅刻してしまう。だが他のクラスメイトと違って任意のスキルを選べるようになっていた。しかし選んだ成長率マシマシスキルは自分の得意なものが現れないスキルだったのか、召喚先の国で無職判定をされて追い出されてしまう。 一方で微妙な職業が出てしまい、肩身の狭い思いをしていたヒロインも追い出される主人公の後を追って飛び出してしまった。 だがしかし、追い出された先は平民が住まう街などではなく、危険な魔物が住まう森の中だった! 突如始まったサバイバルに、成長率マシマシスキルは果たして役に立つのか! 魔物に襲われた主人公の運命やいかに! ※小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しています。 ※カクヨムにて先行公開中

 殺陣を極めたおっさん、異世界に行く。村娘を救う。自由に生きて幸せをつかむ

熊吉(モノカキグマ)
ファンタジー
こんなアラフォーになりたい。そんな思いで書き始めた作品です。 以下、あらすじとなります。 ────────────────────────────────────────  令和の世に、[サムライ]と呼ばれた男がいた。  立花 源九郎。  [殺陣]のエキストラから主役へと上り詰め、主演作品を立て続けにヒットさせた男。  その名演は、三作目の主演作品の完成によって歴史に刻まれるはずだった。  しかし、流星のようにあらわれた男は、幻のように姿を消した。  撮影中の[事故]によって重傷を負い、役者生命を絶たれたのだ。  男は、[令和のサムライ]から1人の中年男性、田中 賢二へと戻り、交通警備員として細々と暮らしていた。  ささやかながらも、平穏な、小さな幸せも感じられる日々。  だが40歳の誕生日を迎えた日の夜、賢二は、想像もしなかった事態に巻き込まれ、再びその殺陣の技を振るうこととなる。  殺陣を極めたおっさんの異世界漫遊記、始まります! ※作者より  あらすじを最後まで読んでくださり、ありがとうございます。  熊吉(モノカキグマ)と申します。  本作は、カクヨムコン8への参加作品となります!  プロット未完成につき、更新も不定期となりますが、もし気に入っていただけましたら、高評価・ブックマーク等、よろしくお願いいたします。  また、作者ツイッター[https://twitter.com/whbtcats]にて、製作状況、おススメの作品、思ったことなど、呟いております。  ぜひ、おいで下さいませ。  どうぞ、熊吉と本作とを、よろしくお願い申し上げます! ※作者他作品紹介・こちらは小説家になろう様、カクヨム様にて公開中です。 [メイド・ルーシェのノルトハーフェン公国中興記]  偶然公爵家のメイドとなった少女が主人公の、近世ヨーロッパ風の世界を舞台とした作品です。  戦乱渦巻く大陸に、少年公爵とメイドが挑みます。 [イリス=オリヴィエ戦記]  大国の思惑に翻弄される祖国の空を守るべく戦う1人のパイロットが、いかに戦争と向き合い、戦い、生きていくか。  濃厚なミリタリー成分と共に書き上げた、100万文字越えの大長編です。  もしよろしければ、お手に取っていただけると嬉しいです!

コンバット

サクラ近衛将監
ファンタジー
 藤堂 忍は、10歳の頃に難病に指定されているALS(amyotrophic lateral sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)を発症した。  ALSは発症してから平均3年半で死に至るが、遅いケースでは10年以上にわたり闘病する場合もある。  忍は、不屈の闘志で最後まで運命に抗った。  担当医師の見立てでは、精々5年以内という余命期間を大幅に延長し、12年間の壮絶な闘病生活の果てについに力尽きて亡くなった。  その陰で家族の献身的な助力があったことは間違いないが、何よりも忍自身の生きようとする意志の力が大いに働いていたのである。  その超人的な精神の強靭さゆえに忍の生き様は、天上界の神々の心も揺り動かしていた。  かくして天上界でも類稀な神々の総意に依り、忍の魂は異なる世界への転生という形で蘇ることが許されたのである。  この物語は、地球世界に生を受けながらも、その生を満喫できないまま死に至った一人の若い女性の魂が、神々の助力により異世界で新たな生を受け、神々の加護を受けつつ新たな人生を歩む姿を描いたものである。  しかしながら、神々の意向とは裏腹に、転生した魂は、新たな闘いの場に身を投じることになった。  この物語は「カクヨム様」にも同時投稿します。  一応不定期なのですが、土曜の午後8時に投稿するよう努力いたします。

処理中です...