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は? 気安く話し掛けんなよ、このクズが。

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「な、なに言ってんだよ、お前」

 怯えを孕む視線に、震える声。

「は? 気安く話し掛けんなよ、このクズが。お前みたいに低能で低俗で、下品で下劣、暴力的なクソ野郎に話し掛けられて、わたしが喜ぶとでも思ってんの? 馬鹿なの? ああ、馬鹿だったっけ。大した顔してるワケでもないし、取り立てて才能があるワケでもない。全部が中途半端なクセに、自分がモテると思ってる、イタい勘違い野郎が。誰がお前みたいな奴のことを好きになるか。いい加減、自分が嫌われてんの気付け。キモいんだよ。存在自体が目障りだから、わたしの前から消えてくれない?」

 そう言うと、クソガキの顔が蒼白に変わり、次々と涙が零れ落ちた。

「あら、どうして泣くのです? ほら、あなたがそうだったように。わたしも単に、照れ隠し・・・・でこう言ってるだけかもしれないでしょう? 笑ってくださいよ。喜びなさいよ。ほら? なに泣いてんだよ、うぜぇな。わたしは一度も泣かなかったのに。男のクセに、これくらいで泣くのかよ? 同情買ってるつもりか?」

 鼻で嗤って淡々と続けたわたしの言葉に、

「不っ細工な泣き顔晒してんじゃねぇよ。女々しくてキモい奴だな」

 嗚咽が酷くなり、

「なにショック受けてんだよ? お前が、これまでわたしにして来た言動は、こんな言葉の比じゃないだろうが? 公衆の面前で罵倒されるわたしの気持ちなんか、考えたことないだろ。人を罵倒して悦に入るクズが。自分が言い返されたら、みっともなく号泣かよ? なんとか言ったらどう? ほら、わたしが、勘違い低能、下劣なクズ野郎であるお前に、こうしてわざわざ話し掛けてやってやってんだから、ありがたがれよ。喜べよ。愚図愚図泣いてないで、なにか言ったらどうなの? この、勘違い醜男ぶおとこが」

 みるみるうちにクソガキは、真っ赤な顔で号泣。ぼろぼろと涙が、そして鼻水が垂れる。

「それで、こうやってボロクソ言われるのは嬉しい? 楽しい? 声を掛けてくれてありがたい?」

 返事は、無い。

「・・・汚い面だな。どっか消えろよ」


__________


 ※一応、男女差別の意図はありませんのであしからず。

 男の人でも泣きたいときには思いきり泣いていいと思います。(*´ー`*)
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