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ねえ、愛してるわ。
しおりを挟むお兄ちゃん。
どうしたの?
なんで出て来てくれないの?
お腹空いたでしょ?
一緒にごはん食べようよ?
あたし、お母さんに習って料理も洗濯も掃除も、ちゃんと家のことできるのよ?
ほら、今日だってお兄ちゃんの大好きなカレー作ったんだから。
いい匂いでしょ?
ねえ、どうして部屋から出て来てくれないの?
せっかく、あたしが戻って来たのに。
お兄ちゃんは、嬉しくないの?
「ぅ……が……ち……違う、違う違う違うっ、違うっ!? アイツは、お前は死んだんだっ!?」
そう、だからあたしは戻って来たのよ?
「俺が悪かった。謝る。だから、頼むから、俺と彼女の娘を返してくれよぉ……」
どうして泣いてるの?
お兄ちゃん?
「違うっ!? アイツみたいに俺を呼ぶなっ!? お前は俺の娘だろっ!!!!」
? お兄ちゃんが、お母さんに言ったんじゃない。『この子はアイツの生まれ変わりなのかもしれませんね』って。
お兄ちゃんが、お母さんにそう教えてくれたから。
お兄ちゃんが、あたしを前の名前で呼んでいいって言ってくれたから。
あの人は、酷く嫌がってヒステリーを起こすほどだったのに。
でも、それでお母さんは、あたしのことすっごく大切に育ててくれたのよ?
「っ!? ぁ……あ、あああああアああァああああぁアァーーーーーっっ!?!?!?」
お兄ちゃん? どうしたの? そんな叫び声を上げて、どこか痛いの?
ねえ、ほら、ドアを開けてよ?
早くごはんを食べて、結婚式の準備をしなきゃ。
あたしのこと、お嫁さんにしてくれるって約束したじゃない。
だから、出て来てよ。
ねえ、愛してるわ。
お兄ちゃん。
これからも、ずっと一緒に暮らしましょうね?
うふふ・・・
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