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赦さないっっ!!!!
しおりを挟むああ、どうしてこうなってしまったの?
『彼』が、娘に婚約者なんか紹介したから?
娘が少しずつ弱って行くのに、『彼』は『あの女』との結婚の準備を着々と進めて行く。
どうして? おかしいじゃないっ!!
なのに、なのにっ……娘は、
「彼の結婚を、祝ってあげたいの」
だなんて、健気にも弱々しく微笑んだ。
裏切った『彼』を祝ってあげたいだなんて……あぁ、あなたはなんて優しい子なの?
だから、結婚式を挙げる予定はないと言っていた『彼』を説得した。
せっかく娘が出たいと、『彼』を祝ってあげたいと言うのだから、彼らには結婚式を挙げてもらった。
どうにかこうにか体調を調え、すっかり細くなった身体を着飾った娘を支えながら、結婚式場へと向かった。
けれど、やっぱり『彼』と『あの女』が二人で並んでいるところを見るのは、娘にはつらかったようで……
娘は式の途中から苦しそうに胸を押さえ、発作を起こしてしまった。式場に救急車を呼ぶ事態になってしまった。『あの女』のせいだ。
おまけに、わたし達が救急車で病院に行った後。『あの女』の親族は、
「無理に出席しなくてもいいのに」
だなんて、酷いことを言ったという。
娘が、どれだけ『彼』の結婚式を見届けたかったかも知らずにっ!
さすがは、娘から『彼』を奪った『あの女』の親族だと思った。酷く薄情な連中だ。
そして娘は、その日に入院した。
それから娘は骨が浮き出る程に細く、窶れて薄く、やがてどんどん小さく軽くなって行って・・・
病院から退院することなく――――
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ああ、ああっ、あ゛あ゛あぁぁーーっ!?!?!?
なん、でっ……
なんで娘がっ!?!?!?
『彼』がっ、娘を選んでいればっっ!!!!
『あの女』が、娘から『彼』を奪わなければっ……
なぜか一様に黒い服装をした親戚や知人達が集まる中、「わたしの娘を返せっ!?!?」わたしは、「この泥棒猫がっ!!!!」そこへ来た『彼』と『あの女』の姿を見て、「わたしの娘を返せっ!!!!」訳がわからなくなって、「この人殺しっ!?!?」気が付いたら――――
なぜか病院に寝ていたの。
おかしいわね? なにがあったのかしら……?
このところ、娘の看病で疲れていたせいかしら? あの子の入院することが多かった昔は、わたしまで倒れてしまわないよう、踏ん張っていられたのに。
年を経るって、嫌だわ。
黒い服を着た夫と姉に連れられて病院から帰ると、家には娘がいなかった。
部屋にも、リビングにも、トイレにも、お風呂場にも、キッチンにも、押し入れにも、どこにもあの子の姿が見えないの。
家の中をくまなく、全部探したのに……
意味が、わからないわ。
不安で不安で堪らなくて、涙が止まらない。
なんで? どうして?
娘は、どこに行ってしまったの?
あの子は身体があまり丈夫じゃないの。
わたしが、傍にいて……あの子を守ってあげなくちゃ、いけないのに……
なんで? なんで? なんで?
それからはなにもする気が起きなくて、ずっと家の中で……あの子の部屋でぼんやりと過ごしていたら、『あの女』が妊娠したって話を聞いた。
なに、それ? なん、で?
わたしの娘はどこかへいなくなってしまったというのに、その間に『あの女』が妊娠?
巫山戯るな!!!!!!
そんなことっ、赦さないっ!?!?!?
絶対赦さない絶対赦さない絶対赦さない絶対赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない赦さない絶対絶対絶対絶対絶対…………
赦さないっっ!!!!
だから、『彼』の母親に、姉さんに、『あの女』の子供を堕ろさせてって頼んだの。
頼んだ、はずだったのに……
あの女は、子供を産んでいた!!!!
わたしの娘はどこかにいなくなったというのにっ、『あの女』は子供を産んで幸せになるなんてっ……そんなのおかしいじゃない!!!!
『あの女』は絶対に不幸になるべきよっ!?!?
そう、ずっと思っていたわ。
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