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容赦はしないので、首を洗って待ってろや!
しおりを挟む「あなた、わたくしの侍女になりなさい」
途方に暮れたような小さな背中に声を掛ける。
「……ぇ?」
振り返った彼女の瞳が驚いたように見開かれる。
「衣食住は保証して差し上げます。衣服は侍女のお仕着せでもよければ、ですが」
「じじょ……?」
あら、ぽかんとした顔も可愛らしいのね。
「それにあなた、十二歳で高等部の授業を受けて、ちゃんと理解して付いて来られる頭をしているのだもの。家庭教師も付けてあげるから、このまま学園を卒業させてあげるわ」
「え? あ、でも、あたし、十二歳で……」
「ああ、あなたはちゃんと入学テストを受けて合格したのでしょう?」
これは裏口などではなく、彼女の実力。
「もう一度、学力テストを受けてスキップ制度を利用すればいいのよ」
なにせ、男爵家に引き取られるまでは碌に本を読んだことも無かったという彼女が、ほんの数ヶ月勉強しただけで、高等部の入学試験をパスできてしまうんだから・・・本当に驚いた。
ぶっちゃけ、この子天才だわ。
放っておいて、ロリコンクソ野郎共の毒牙に掛けられるのは、心底勿体ない。
この頭脳は、もっとたくさん色々と学んで、もっと有意義なことに使用されるべきよ!
「というワケで、付いてらっしゃい」
「え? で、でも……」
戸惑う彼女に言い募る。
「今返事をすれば、昼食を食べさせてあげる。もちろん、お給料も出しますわ。ああそうそう、大事なことをいい忘れていましたね。お母様も、うちに連れてらっしゃい」
「今日からよろしくお願いしますお嬢様っ!!」
と、年下で天才で、庇護欲を誘う、元悪女な彼女を、わたくしの侍女としてスカウトした。
さて、それじゃあ、次は・・・婚約者に婚約破棄を突き付けて、高額な慰謝料でもぶんどってやりましょうか。
うふふ、わたくし、クズやクソ野郎共は嫌いなの。容赦はしないので、首を洗って待ってろや!
あとは、そうね・・・この、庇護欲そそる彼女を、思う存分愛でようじゃないの♪
実はわたくし、妹が欲しかったのよね♪
――おしまい――
。.:*・゜✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・゜ ✽
オマケ。
お嬢様「ところであなた、どうしてあんなにお胸をたわわに盛っていたの?」(´・ω・`)?
元悪女「えっと、『男の人は、おっぱいの大きい美人さんの言うことを聞くのが好きなのよ』って、近所に住んでいたおねーさん(娼婦)が教えてくれたので、ばいーんとおっぱいを盛っちゃいました」(*ノω・*)テヘ
お嬢様「間違ってはいないのかもしれませんけど・・・もう、あんなに盛らなくてもよろしくってよ」( ̄~ ̄;)
元悪女「はーい、お嬢様」(*>∀<*)ノ
__________
というワケで、『婚約者が庇護欲をそそる可愛らしい悪女に誑かされて・・・ませんでしたわっ!?』終わりました。
自称ヒロイン的なあざと女に誑かされて貢がされる野郎共の話はよくありますが、「病気の身内がいて……」というのが本当の話だったらどうなん? と思ったのがきっかけでできた話です。ꉂ(ˊᗜˋ*)
ある意味、男に貢がせるセリフの常套句。なので、彼女の言葉を本当に信じる男はおらず……という感じで、なぜかやたらクズな野郎共が多く出て来ちゃいました。Σ(`・ω・Ⅲ)
お嬢様が彼女のことを調べなかったら、彼女は悲惨なことになっていただろうな、と。
でも、お嬢様が彼女を拾って、母親共々面倒を見るそうなので、ハピエンでしょうか。
以上、最後まで読んでくださり、ありがとうございました♪(*´∇`*)
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