1 / 15
帰り道。
しおりを挟む
俺の幼馴染は、なにかが視えているようだ。
じっと、なにも無い場所を視ていることがある。
ちょっと、怖い。
だって、そういう場所はなにか変なモノがいる。
幼馴染のことを斯く言う俺は、ちょっとだけ感じる人だ。まあ、あまり視えたりはしないが・・・
学校からの帰り道。
幼馴染が、立ち止まっていた。
なにも無い場所で・・・
「ねぇ、なにをしてるの?」
「ん?別に、なにも?」
色素の薄い瞳が、俺を見ずに答える。
「そろそろ帰らないと、お母さんが心配するよ」
「んー…仕方ない。帰るか」
色素の薄い瞳が、電柱の影を見下ろす。
そこには、暗い陰が落ちている。
少し、厭な感じの陰だ。
「ほら、早く早く」
俺は幼馴染の腕を引いて、さっさと電柱から引き離した。そして、そこから充分に離れてから聞いた。
「ねぇ、なにを…視てたの?」
「ん?犬」
電柱の影には、なにもいなかった。生物は・・・
「なんで、そんなの…」
「自分ン家、ペット禁止だから。生物じゃないなら、セーフかなって思って」
「アウトだよっ!?思いっ切りアウトっ!?」
「え~?駄目か?だってさ、餌代掛からないし、ノミとかいないんだぜ?散歩も要らないしさ?」
「そういう問題じゃないからっ!?」
俺の幼馴染は、かなりズレてる子だ。
じっと、なにも無い場所を視ていることがある。
ちょっと、怖い。
だって、そういう場所はなにか変なモノがいる。
幼馴染のことを斯く言う俺は、ちょっとだけ感じる人だ。まあ、あまり視えたりはしないが・・・
学校からの帰り道。
幼馴染が、立ち止まっていた。
なにも無い場所で・・・
「ねぇ、なにをしてるの?」
「ん?別に、なにも?」
色素の薄い瞳が、俺を見ずに答える。
「そろそろ帰らないと、お母さんが心配するよ」
「んー…仕方ない。帰るか」
色素の薄い瞳が、電柱の影を見下ろす。
そこには、暗い陰が落ちている。
少し、厭な感じの陰だ。
「ほら、早く早く」
俺は幼馴染の腕を引いて、さっさと電柱から引き離した。そして、そこから充分に離れてから聞いた。
「ねぇ、なにを…視てたの?」
「ん?犬」
電柱の影には、なにもいなかった。生物は・・・
「なんで、そんなの…」
「自分ン家、ペット禁止だから。生物じゃないなら、セーフかなって思って」
「アウトだよっ!?思いっ切りアウトっ!?」
「え~?駄目か?だってさ、餌代掛からないし、ノミとかいないんだぜ?散歩も要らないしさ?」
「そういう問題じゃないからっ!?」
俺の幼馴染は、かなりズレてる子だ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

こちら御神楽学園心霊部!
緒方あきら
ホラー
取りつかれ体質の主人公、月城灯里が霊に憑かれた事を切っ掛けに心霊部に入部する。そこに数々の心霊体験が舞い込んでくる。事件を解決するごとに部員との絆は深まっていく。けれど、彼らにやってくる心霊事件は身の毛がよだつ恐ろしいものばかりで――。
灯里は取りつかれ体質で、事あるごとに幽霊に取りつかれる。
それがきっかけで学校の心霊部に入部する事になったが、いくつもの事件がやってきて――。
。
部屋に異音がなり、主人公を怯えさせる【トッテさん】。
前世から続く呪いにより死に導かれる生徒を救うが、彼にあげたお札は一週間でボロボロになってしまう【前世の名前】。
通ってはいけない道を通り、自分の影を失い、荒れた祠を修復し祈りを捧げて解決を試みる【竹林の道】。
どこまでもついて来る影が、家まで辿り着いたと安心した主人公の耳元に突然囁きかけてさっていく【楽しかった?】。
封印されていたものを解き放つと、それは江戸時代に封じられた幽霊。彼は門吉と名乗り主人公たちは土地神にするべく扱う【首無し地蔵】。
決して話してはいけない怪談を話してしまい、クラスメイトの背中に危険な影が現れ、咄嗟にこの話は嘘だったと弁明し霊を払う【嘘つき先生】。
事故死してさ迷う亡霊と出くわしてしまう。気付かぬふりをしてやり過ごすがすれ違い様に「見えてるくせに」と囁かれ襲われる【交差点】。
ひたすら振返らせようとする霊、駅まで着いたがトンネルを走る窓が鏡のようになり憑りついた霊の禍々しい姿を見る事になる【うしろ】。
都市伝説の噂を元に、エレベーターで消えてしまった生徒。記憶からさえもその存在を消す神隠し。心霊部は総出で生徒の救出を行った【異世界エレベーター】。
延々と名前を問う不気味な声【名前】。
10の怪異譚からなる心霊ホラー。心霊部の活躍は続いていく。

視えてるらしい。
月白ヤトヒコ
ホラー
怪談です。
聞いた話とか、色々と・・・
どう思うかは自由です。
気になった話をどうぞ。
名前を考えるのが面倒なので、大体みんなAさんにしておきます。ちなみに、Aさんが同一人物とは限りません。
百合カップルになれないと脱出できない部屋に閉じ込められたお話
黒巻雷鳴
ホラー
目覚めるとそこは、扉や窓の無い完全な密室だった。顔も名前も知らない五人の女性たちは、当然ながら混乱状態に陥る。
すると聞こえてきた謎の声──
『この部屋からの脱出方法はただひとつ。キミたちが恋人同士になること』
だが、この場にいるのは五人。
あふれた一人は、この部屋に残されて死ぬという。
生死を賭けた心理戦が、いま始まる。
※無断転載禁止
意味が分かると怖い話【祝:お気に入り数130突破!】
Ten
ホラー
アルファポリスでイチバンの解き手は誰だ!
作者VS読者の謎解きバトル開幕!
1,200万DLを超えるcomicoの
ノベルベストチャレンジ総合9位の作品、
「意味が分かると怖い話」を書いている作者が、
アルファポリスの解き手に挑戦状を届けに参りました!
貴方は全ての謎が解けますか?

白い手紙
月夜乃 古狸
ホラー
外資系投資コンサルタント会社に勤める理恵。
仕事も充実し、恋人との関係も順調。そんな彼女の元に届くようになった何も書かれていない「真っ白な手紙」。薄気味悪く感じていたものの、実害が無かったこともあってあまり気にしてはいなかった。
そんな中、突然刑事が理恵の勤めるオフィスにやってきて、疎遠にしていた妹の死を告げた。
それから理恵の回りでは不可解な出来事が起き始める。そして、何も書かれていないと思っていた手紙にも実は……。
書籍化作家の織りなす本格ホラー。
寝苦しい夜にでも楽しんでもらえれば幸いです。
11話+エピローグの全12話。
「小説家になろう」と「カクヨム」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる