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人類の存続

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そして、帝達の地獄の書類達との格闘の日々がまた始まった。
まさかまたこんな地獄の日が来ようとは帝達は全く思ってもみなかった。
鬼気迫る帝達の執務室にこれまたお久しぶりの電電雷魚がラファイに向けてフワフワと癒し系な雰囲気で寄ってきた。

「もしも…」

『ラファイ!!ちょっとあの小娘どうにかしなさいよ!!毎日毎日朝からクロード様は大丈夫ですの?!って朝刊じゃあるまいし!!しーかーもー何でおの小娘がクロードが総帝って知ってるのよ!!ちょっと、聞いてるのラファイ!!』
物凄い剣幕で捲し立てる電電雷魚、いやナディア。
見た目は癒し系だが、中身は癒し系では無かった。
ラファイは堪らず片耳に指を突っ込んだ。

「ナディアさん?ちょっと意味が分からねえ…」

『ミハイル公爵家の小娘よ!!毎日毎日うんざりしてるのよ!!あのアリアまで小娘を敵認定しちゃって大変なのよ!!』

「いや、俺に言われても…」

『何言ってるのよ!!貴方も王族の端くれでしょ!!こんな時に使わなくていつ権力使うのよ!!』
つまり職権乱用しろと?

「いや…今は忙しくて、クロードが捌く筈の書類が…」

『そんな何の役にも立たない書類なんて燃やしてしまいなさい!!どうせクロードに見舞いたいとかの書状の返答に追われてるんでしょ?!下らない燃やしなさい!!』
この人はエスパーなのだろうか?
確かにクロードの見舞いの件の返答には追われているが…何故分かる!

「あー…本当に燃やして良いのか?」

『母親の私が言うのだから良いのよ!!文句は言わせないわよ!大体お偉い方々が見舞いに来てクロードが目覚める訳じゃあるまいし、こっちの小娘の件の方が一大事よ!!』

「はぁ…分かった。朝だな?明日にでも行く。」
ナディアがお願いねー!と言うと電電雷魚はまた去って行った。
溜息を吐きまた書類に目を落すと凄い視線を感じた。
顔を上げると帝達が全員ラファイをワクワクした顔で見ていた。

「ラファイ?面白そうね?私も連れて行ってくださいな?」

「儂も行こうかのぅ?」

「わ、私も…」

「僕も行くよー!総帝様に纏わりつく害虫駆除でしょ?」

「僕も…行きます。」
ラファイは眉間を押さえた。

「お前ら溜まってんな…クロードへの見舞いの書状は燃やして良いらしいぞ。明日は朝からだ。」

「明日は害虫駆除ですわよ!!皆気合を入れて行きますわよ!!」
帝達はおおーーー!!と盛り上がった。
何時からこんな体育会系になったのだろうとラファイは首を捻った。
これもクロードの人柄が為せる技だろう。
帝達に纏まりが出来、本当に心からクロードの事を考えてくれている。
ラファイは隠れて笑った。

「害虫駆除の前にこの書類を何とかせんとな。」

「あー!それは言わないでよー!!分かっちゃいるけど萎えるー!!」
ドっと笑いが起きた。
久しぶりにこんなに笑った気がする。
ワイワイと言いながら書類を何とかして終わらせる事が出来た。
こいつらどんだけ害虫駆除がしたいんだよ。
翌朝、まだ空が白んでいるうちにオズワルド公爵家に帝総出て向かったのだった。
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