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ウェールズ王国
無事帰還。
しおりを挟む私はクインを連れて私の村に帰ると早速バターの製造に取り掛かった。
しかし、問題が…アレである。
「あっ!ああん!ああだめぇぇぇぇぇ!」
モーモーギュウは下半身の牛のお乳から乳を搾る、これは私がいた世界と変わらないがそこはモーモーギュウにとってかなりの性感帯らしく毎回村にこの声がこだまする。
これに困ったのはまだ若い騎士達だ、女気のない所にこの声とクインのワガママボディは酷だった。
「サクラ様!勘弁して下さい!」
「そうです!何とかなりませんか?あの声!」
等々私に苦情が来た。
「美味しいバターの為よ!ここは我慢して!」
もうバターの事しか頭に無いサクラに騎士達の声は届かなかった。
そんな騎士に同情したアテネが騎士達に防音の結界を張ったのはサクラは知らない。
十分に牛乳が絞れた、樽に三つサクラは樽の中の時間を止めた。
腐らないように。
「後は…バターを作る道具か。」
ん?魔法を使えば樽ごと行けんじゃね?
私は樽を浮遊させると塩を入れてい一心不乱に樽を振った。
三つの樽が暴れ狂う様子をルイスやモーリスは放心しながら見ていた。
アテネとクインは興味心身と言った感じだ。
どの位振ればいいんだろう? 私もバターを作るなんて初めてだし作り方だったフワッとしたものだ。
成功したらラッキーである。
「この位かな?」
「サクラ出来たの?」
ワクワクしながらアテネが聞いてきた。
「多分?私も初めてだから成功するか分からないの。」
そっと樽を下ろすと中を確認した。
「おお!これは!」
私は直ぐに綺麗なシーツを持ってくるように頼んんだ。
シーツを広げてそこの樽の中身を出すと魔法でギュウっと絞った。
限界まで絞るとシーツを広げドキドキしながらそれを舐めてみた。
「…!!で、出来たああああああ!」
これでジャガバタが出来る!
「ルイス!あれは出来てるの?」
「はい、サクラ様ご所望の不思議な道具は届いています。」
「持ってきて!アテネとモーリスは私と川へ!じゃがいもを洗うわよ!」
大興奮の私に若干引いてるモーリスと相変わらず興味津々のアテネは川へ向かった。
洗った大量のじゃがいもを持って広場に戻り、簡易的な竈門を作ると蒸籠を設置してじゃがいもを並べた。
「のぅ、サクラ?これは妾も食せるのかえ?」
「ん?」
牛って何食べるんだ?いや、上半身は人だから大丈夫なのか?
「クインは普段何を食べてるの?」
「ん?妾は何でも食す、出ないと子を成せないからのぉ。」
「それなら食べれると思うよ?」
「そうか、早く食したいものだ。」
私はじゃがいもに棒を刺して火が通っているか確認した。
棒はスッとじゃがいもに刺さった。
「よし!モーリス器頂戴!」
アテネに頼んで沢山器を作ってもらっていたのだ。
ホクホクのじゃがいもにさっき作ったバターをたっぷり乗せるとトロッと溶けるバターに私のお腹が鳴った。
皆んなに配って頂きますをして食べ出した。
最初は家畜の餌を食べる事に躊躇していた面々も美味しそうに食べる私やアテネにクインを見て恐る恐る一口食べればもう止まらなかった。
追加でどんどんじゃがいもを蒸していく、あんなにあったじゃがいもも直ぐに無くなった。
「しかし、このジャガバターなるものは本当に美味ですね!」
とモーリス。
「これは…何と国王に報告すれば…。」
とジャガバターを見ながら眉間に皺を寄せるルイス。
「サクラちゃん、これこの村の名物にならないかしら?」
と目を輝かせるシルビア。
名物か…私的には米を使って何かしたい、雅臣に相談してみようか?
そんな事を考えていると騎士達が追加のじゃがいもを川へ洗いにいく姿が見えた。
まぁしばらくはこれが名物でも良いかもと思ったのだった。
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