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ウェールズ王国
チョロかった!!!!!
しおりを挟む私は女王に前まで行くと大きく息を吸った。
「私にその豊満なお乳をくださああああああああい!」
言い切った!分かり易く私は言い切った!
ふぃーと額を拭うと、前と後ろから笑い声が聞こえた。
「お、おま…!それはグハ!直球過ぎ…ブハッ!」
「可愛い事を言う!アッハッハ!」
「え?」
私何かおかしい事言った?
あっ!そうか!
「宝石が必要?集めてくるよ?」
「クックック…。どこの情報か知らぬが宝石に興味があるのは妾以外の者達よのぉ。」
「クイン様!」
そこに大きなモーモーギュウが女王の前へ出た。
「ひぃ!」
思わず後ずさる私。
女王のお付きだろうか?
女性らしい細い線の女王と違い、ムッキムキの我儘ボディのモーモーギュウだったのだ。
「良い、ムーよ。」
「しかし、クイン様に乳をくれなどと!」
「そもそも妾に出会える者が少ない、これも何かの運命とは思わぬか?」
「クイン様!まさか!」
おっと!私の知らない所で話が進んでいる?
そこに思わぬ味方が来た。
「控えよ!」
ぱああっと明るくなった洞窟の天井を見るとアテネが何とも神々しく参上した。
「アテネ?」
女王を見るとアテネを見て固まっていた。
「我は森の精霊アテネ、我の主人に頭が高い!我の主人は始原の大精霊オリジンの加護を受けしお方!」
ちょっとアテネ~大袈裟過ぎ…。
「こ、これは失礼いたしましたわ!我ら森の奥に住まう者故、何も知らず…。」
「我の主人はお主らの乳を希望しておる。」
「大精霊様の加護を持つお方、喜んで!」
女王は平伏した、所謂土下座だ。
え?これって別に私来なくても良かったんじゃない?
アテネに頼めばイチコロじゃん?
「ねえ?雅臣?これって私必要だった?」
「サクラが来る事に意味があったんじゃないか?」
そうか?
「森の精霊よ、クイン様は我らの長…女王なのです!クイン様無しでは我らは滅んでしまいます!」
ムッキムキが必死にアテネに抗議した。
「サクラはどうしたいですか?」
アテネに言われて考える。
「私、そこの豊満ワガママボディの人がいい!」
女王を指差すと雅臣が溜息を吐いた。
「お前…そこは空気読めよ…。」
空気?そんなの読まないよ?だってこんなに苦労して来たんだから!
欲しいものは欲しいの!
女王が私に歩み寄る。
「名を。」
「サクラ。」
良き名だ。と言うと女王は跪いた。
「契約はなされました、これで妾はサクラの者。」
「クイン様!!」
私は急の事に固まっていた。
「ムーよ、私の留守任せました。サクラ、一つ妾からの希望聞いてくれぬか?」
「ん?いいよ?」
「繁殖の際は妾をここに戻してくれぬか?」
「いいよ?そのつもりだったし、クインがいなきゃ大変な事になるじゃない?」
「幼いのに話が早くて助かる。では行って参る!」
ムーは跪いてクインを見送った。
その頃やっとルイス達が来た。
「「サクラ様!!」」
「プルルン案内してくれたの?ありがとう。」
私はプルルンに魔法で作ったお水を上げた。
プルルンは水を抱えると直ぐにサクラの影に入って行った。
「何故雅臣が此処に?」
私と雅臣は顔を見合わせ苦笑いした。
ぶっちゃけ説明面倒臭い。
こうして無事にモーモーギュウを手に入れ私達は森を後にしたのだった。
余談だが、クインの洞窟から出るとそこには沢山のモーモーギュウの群れが居たのは驚いた。
何百のモーモーギュウに見送られて私達は森を後にした。
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