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ウェールズ王国
モーモーギュウはグレーゾーンの癖強!!
しおりを挟む2日後、じゃがいもの収穫を済ませ私達は半日ちょっと掛けて微睡みの森へ向かった。
森の入口に着いたが、魔物がいると聞くともっとこう…鬱蒼とした薄暗い森を想像していた私は拍子抜けしていた。
「綺麗な森だね?」
「サクラ様、綺麗なのは最初だけです。奥に行くに連れて人が滅多に入らないので鬱蒼としていますよ?」
ルイスが荷物を下ろしながら教えてくれた。
今回私の護衛はルイスとモーリスその他騎士5人だ。
こっそり雅臣がオリビアの命令で着いて来ている事をサクラは知らない。
「サクラ様、ここからは歩きになります。疲れましたら直ぐに言って下さい。」
膝を付き私の目線で言うモーリス、イケおじかよ!!
「うん。」
私は小さなリュックを背負い森に1歩を踏み出した。
さあ!出発だ!絶対にモーモーギュウをゲットしなきゃ!
しかし、歩き出して一時間もすると私はドンドン険しくなって行く足元に何度も転びそうになり、我慢の限界を迎えたモーリスのよって抱き上げられる事となった。
さらに歩く事3時間…やっとモーモーギュウの生息地である辺りまで来た。
「サクラ様、今日は此処で野営しましょう。」
モーリスが私を降ろしながら言った。
「え?今日モーモーギュウ捕獲するんじゃないの?」
するとルイスが微妙な顔をした。
私は首を傾げた。
「モーモーギュウはそう簡単に懐きませんよ?」
「そうなの?」
「はい、まずは…。」
私はモーモーギュウの捕獲の仕方を聞いて絶句した。
「嘘でしょう?」
「残念ながら真実です。アテネ様からの情報でけですが。」
首を振りながらモーリスもルイスに同意した。
「ほ、宝石なんて持ってないよ!」
何とモーモーギュウとお近付きになるには先ずは宝石を献上しなくてはならないらしい。
私は野営の準備をテキパキとこなす騎士達を横目に溜息を吐いた。
「此処より西に宝石が取れる洞窟が在ります。明日はそこに参りましょう。」
ニッコリ笑うモーリスはツルハシを持っていた。
「掘るのね?…」
夜、ご飯を食べながらモーモーギュウの情報を整理した。
『モーモーギュウ』
宝石を大変好み収集の習性がある。
モーモーギュウは群れで生活し気位が高い為、決して失礼はしてはならない。
宝石を最大3日に渡り献上する。
その後、数日生活を共にし好感を得てから交渉となる…らしい。
そう、らしいのだ!
未だかつてモーモーギュウを捕獲したという事実は存在しないらしい…。
そもそもが未確認の生物らしい。
「だからあんなにすんなりokが出たのね…。」
私がモーモーギュウを捕獲に行きたいと言った時の国王の笑顔が思い出される。
要は実態確認に私を使ったのだ。
「これは貸しね。」
ふふふ…と笑う私を見る騎士達の顔が引き攣った。
明日は献上の為の宝石を探しに行く為早く眠る事になった。
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