良くある異世界で幼女は今日も頑張る!

凪 冬夜

文字の大きさ
上 下
34 / 51
ウェールズ王国

ザビエル達のその後とサクラのお願い。

しおりを挟む

公爵達は捕縛され、一度牢に入れられた。
爵位は剥奪だろう、領地も王国の管轄となるだろう。
私は…と言うと…現在お説教中である。
まぁ、殆ど聞いてないけどね?

「聞いてますか!!サクラ様!」

「はい、聞いてます。」
まだルイスと国王がぎゃあぎゃあお説教している。
私は正座しながら全く別の事を考えていた。
ここの料理長のお菓子は捨てがたいが、折角異世界に来たのだから私も色々見てみたいしやりたい事もある。
爵位とか面倒な物はいらないけど…私の好きに出来る土地が欲しいな。
何も無い所から一から家を作ったり、畑を作ったりしたいなぁ。
でも国王とルイスが素直に認めてくれるかが問題だ。

「サクラ様!!」
上の空の私にとうとうルイスがキレた。

「ルイス、ちょっと待って。国王に話があるの。」
神妙な顔で言う私にルイスは仕方ないと部屋の端に下がった。

「国王、私に土地を下さい!」

「「「はっ?!」」」
まぁ、そうなるよね?

「サクラよ、この城を出るのか?」
ちょっとシュンっとするイケメン国王、そんな顔には負けないんだから!

「だって折角異世界に来たのに私はこの城しか知らないんだもん。もっと色々な事を見てやってみたい事もあるの。」
お願い!と手を合わせ国王を見詰めた。

「うっ!し、しかしな…。宰相空いてる土地はあるか?」

「少々お待ち下さい。」
宰相は何やら書類を見て国王の前に置いた。

「此方でしたら可能です、城からもそう距離も離れておりません。しかし、ここは…。」
書類を見て国王も難しい顔をした。

「サクラよ、土地はあるにはあるが…ここはまだ未開拓の地。一から開拓して行かねばならない。大丈夫か?」

「お待ち下さい!お認めになるのですか?!」
ちょっとルイス黙っててよ!

「大丈夫、一から開拓して家を作ったり畑を作ったりしたいの!お願い!!」
国王は溜息を吐いた。

「王国近衛騎士団第一部隊隊長ルイス、これより隊長と兼任でサクラの護衛隊長を命じる。」
国王の言葉を聞いたルイスは一瞬キョトンとしたが、直ぐに騎士の礼を取った。

「拝命致しました。」
おう…保護者は付いてくる様だ。

「これより、サクラの護衛騎士を選出してくれ。王都の外れの東南をサクラに与える事とする。」
やった!!これで土地は確保!

「讓渡の書類を揃える故、サクラはもう暫く城に滞在する様に。」

「本当にいいの?こんなに簡単に私に土地あげちゃって。」

「落とし人の願いは極力叶える習わしだ。ただ、サクラにはこの国に居て貰わなければならない。」

「土地を貰えればそんなのお易い御用よ!」

「そうか、すまぬなサクラ。」
何か凄く申し訳ない顔をする国王達に私は首を傾げた。
さて、色々考えなきゃ!
ワクワクが止まらないとはこの事ですな!
私は部屋に戻り今後の事に胸を踊らせるのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。

【完結】悪役令嬢の反撃の日々

くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。 「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。 お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。 「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

婚約破棄から~2年後~からのおめでとう

夏千冬
恋愛
 第一王子アルバートに婚約破棄をされてから二年経ったある日、自分には前世があったのだと思い出したマルフィルは、己のわがままボディに絶句する。  それも王命により屋敷に軟禁状態。肉塊のニート令嬢だなんて絶対にいかん!  改心を決めたマルフィルは、手始めにダイエットをして今年行われるアルバートの生誕祝賀パーティーに出席することを目標にする。

結婚式をボイコットした王女

椿森
恋愛
請われて隣国の王太子の元に嫁ぐこととなった、王女のナルシア。 しかし、婚姻の儀の直前に王太子が不貞とも言える行動をしたためにボイコットすることにした。もちろん、婚約は解消させていただきます。 ※初投稿のため生暖か目で見てくださると幸いです※ 1/9:一応、本編完結です。今後、このお話に至るまでを書いていこうと思います。 1/17:王太子の名前を修正しました!申し訳ございませんでした···( ´ཫ`)

気絶した婚約者を置き去りにする男の踏み台になんてならない!

ひづき
恋愛
ヒロインにタックルされて気絶した。しかも婚約者は気絶した私を放置してヒロインと共に去りやがった。 え、コイツらを幸せにする為に私が悪役令嬢!?やってられるか!! それより気絶した私を運んでくれた恩人は誰だろう?

処理中です...