良くある異世界で幼女は今日も頑張る!

凪 冬夜

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ウェールズ王国

幼女の馬鹿力なめんなよ!!ゴメン、幼女じゃねーや。

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それから公爵達は捕らえられ、余罪を調べられる事となった。
サリスティンはと言うと、同席していたイルミディアスのルイと今後協力して聖教を盛り立てて行こうと握手を交わした。
よしよし、これで良かったんじゃないかな?

「では!」
私は腕をブンブン回して公爵達に近付いた。
それをいち早く察した雅臣が止めに入って来た。

「サクラ!謁見の間を吹き飛ばす気か?!」

「やだなぁ、謁見の間吹き飛ばすって何?私は公爵達をぶん殴るの!」
雅臣に両脇を掴まれプラーンの私は早く下ろせとニッコリ笑った。

「そうじゃねぇ…。」
雅臣は私を持ったまま溜息を吐いた。
はよ、離しやがれ!
ここは仕方あるまい…私は雅臣の頭に拳骨を落とした。

「ぐっ!!」
よし!自由だ!
雅臣は…泡吹いてるけど後で治療してあげよう。
今は公爵達だ!

「お待ち下さいサクラ様!」
グワシッとまた捕まった。

「ルイス?離して?」

「申し訳ありません、その願いは聞き入れられません。」
ルイスは物凄く残念な顔をした。
美形の残念顔、ゴチです。
カメラがあるなら写真撮りたいです。
またプラーンの私は考えた。
よし、ルイスも拳骨だ!

「グフッ!!」
もう!邪魔しないで!

「サクラよ。」

「何?国王?」
聞き返すと国王は凄く言葉に詰まった。

「国王陛下!ここは頑張りませんと!」
何故か宰相からの激励が飛ぶ。

「ここは我慢してもらえぬか?」
はっ?

「でないと…。」

「でないと?」

「サクラの…サクラの…」
ぐぬぬと何やら踏ん張る国王を私は不思議そうに見ていた。
一体何が言いたいのか?

「おやつ…抜きだ!!」
ビシャアアアン!!と雷が落ちた気分だった。

「!!」
おやつ抜きだと?あの料理長の作るお菓子…異世界人の私の口に合うお菓子を作れる人は料理長しか私は知らない。
ガックリと膝を付き崩れ落ちた。

「はい、捕獲です。」
ヒョイッとシャルに抱えられた私はもう身体に力が入らない。
ブランブラン状態でそのまま捕まる事にした。

「ルイ様から聞きましたよ?城の牢を半壊させたと。」

「わざとじゃないもん…。」
プクッと頬を膨らませて抗議した。
こうなれば!

「プルルン!!」
そう呼ぶと私の影からニュンッと緑のツルツルが顔を出した。

「あれやって!」
ホイ来た!とばかりに緑のそれはバッと広がるとサクラを包み込んだ。
それに驚いたシャルは思わず手を離してしまった。

「サクラ!」

「サクラ様!」
緑のそれが私を覆いピッタリとくっ付くとぐにゃぐにゃと形を変えて行った。

「じゃーん!必殺大人の私よ!」
そこにいた誰もが大人の姿のサクラに驚愕した。
恐ろしく美しかったのだ。
捕まった公爵達もボーッとサクラを見ていた。
ふふ、驚いた?雅臣と森で野営してる時にテイムしたスライムさんよ!
私は呆気に取られる面々は無視して公爵の前に立ちニッコリ笑った。

「では!」
いざ、参らん!!
公爵の前で私は拳をブンブン回した。

「ひぃ!!」

「大丈夫、手加減してあげる。」
私は拳を振り下ろした。

「ゲハァっ!!」
カエルが潰れた様な声を出した公爵は手加減したのに床にめり込んだ?

「あれ?おかしいな?」
サクラは不思議そうに自分の拳を見詰めているが、サクラは気付いていない。
大人のサクラが手加減した所でそれは幼女のサクラの全力以上だと。
まぁいいや、スッキリしたぁ~。
ニヤニヤするサクラに誰もが頭を抱えたのだった。

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