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ウェールズ王国
ザビエルーー!!そのヅラを寄越せーー!!
しおりを挟む「ザイール公爵、サクラはあぁ言って居るが?其方の言い分と食い違うな?説明せよ。」
「は、えっえっとそれは…ですね。」
ザイール公爵は慌て出した。
「とぼけなくとも良い、サクラから既に報告は受けておる。ザイール公爵達がサクラを攫った事は明白。」
「はい?」
「分からぬか?ここはザイール公爵を筆頭に伯爵二人を含む三人の断罪の場だ。」
「なっ!勘違いでございます!陛下!」
「勘違い?サクラは此処に居るシャルルと雅臣が保護したと聞いて居るが?」
ザイール公爵はやっと理解した、嵌められたのだと。
落とし人誘拐、国王への虚偽の報告…極刑は間違いないだろう。
「陛下!私は嵌められたのです!そこに居るシャルルに!」
「ほぅ、サリスティン信者である公爵が最高司祭を名で呼ぶか?無礼ではないか?」
「それは…。」
「宰相、アレを。」
「畏まりました。」
国王は宰相から魔石を受け取ると魔力を流す。
これは録音が出来る魔石だ。
「そ、それは!!」
「これを聞いても言い逃れ出来るのか?」
国王は構わず再生させた。
そこには私を攫った三人の証言と、正に悪巧みをしている公爵と伯爵達の声が入っていた。
「なるほど、落とし人様を聖女に立て更に私を失脚させようと?」
シャルルがふむ、と考える素振りをした。
「お、お前が悪いのだ!サリスティンの最高司祭でありながら聖女の撤廃などと言い出すから!!」
公爵はワナワナと震えながらシャルルを指さした。
「む?人を指さしちゃいけません!」
公爵の指にチョップするとメキョッと変な方向に曲がった。
「あぎゃああああああああぁぁぁ!!」
「五月蝿いぞ、公爵。」
国王あんたも鬼だな。
「聖女は撤廃します。それにより救われる少女が沢山いるのですから。公爵お抱えの奴隷商も捕縛済みですからね?タチの悪い事に拉致して来た子供を奴隷にするなど笑止。だから、サリスティンの評判は悪いのですよ。」
「公爵、我が国では奴隷は禁止しておる。公爵である其方が知らぬ筈はないだろう?」
公爵は返す言葉も無いのか折れた指を庇いながら冷や汗を流していた。
かくいう私は…もう公爵の頭の天辺に釘付けである。
もう外したくて仕方ないのだ。
私の幼児の部分がどうにも外したいと騒ぐのは許して欲しい。
我慢ならなくなった私はテテテっと公爵の前に回るとアレを鷲掴みにして思いっきり引っ張った。
現れたのは立派なザビエル、キラリと光るそれはワックスでも掛けたかの様に輝いている。
「取ったどぉぉおおお!!はぁ~…スッキリした!」
ふぃ~とやりきった感満載な私と対象に周りは静かになった。
「おや?」
ヅラを掴んだまま周りを見ると固まるものや、驚くもの、雅臣に関してはイカン腹筋にきている。
「シャル、あとこのザビエルはやめた方が良いよ?何の冗談なの?」
ポカーンとしていたシャルルは我に返った。
「髪型の事ですか?」
「そう!センス悪い!!私の世界の偉人の髪型を馬鹿にしてるの?!」
「えー…今センス悪いって…いや、髪型については昔からそうだった様で、そこまで言われるなら改善しましょう。」
うん、絶対に改善すべき!あの髪型のせいもあるんじゃないの?サリスティンの不人気って?
「あ~、サクラ良いかな?」
国王は遠慮がちに聞いた。
威厳たっぷりで終わらせようとした国王は内心ガックリした。
「え?どうぞ?私は満足!後はぶん殴るだけだから早くしちゃって?」
私がぶん殴ると言うと皆顔色を悪くさせた。
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