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ウェールズ王国
ザビエルーーーー!!
しおりを挟む私達は王城にすんなりと通され、私は拘束も解かれて今は控え室で待機だ。
「ハッハッハ!これでサリスティンは更なる発展間違いないな。」
「ええ、後はあの目障りなシャルルを引き摺り降ろすだけですな?」
「あの男、聖女など要らぬとは…全くサリスティンの最高司祭とは思えませんな。何故あんな男を最高司祭にしたのか…。」
公爵と伯爵達はよく喋る。
シャルの言った通り公爵と伯爵二人は共謀していた。
「聖女様を立て、落とし人を救った。これだけでもかなりの功績、後は褒賞を貰うだけだ。」
ニマニマと笑う公爵は私を見て更に笑みを深めた。
その笑顔が絶望に染まるなんて思ってもしないのだろうね。
ーコンコン
「失礼致します。謁見の間にご案内いたします。」
「分かった、行こう。さぁ、落とし人様参りましょう。」
ふん!今まで偉そうにしてたのに、気に入らない。
公爵の手を払って自分で立ち上がった。
さぁ、行こうかそのヅラ…ゴホン!断罪の場に。
「ザイール公爵閣下、マルク伯爵様、マール伯爵様でございます。」
大きな扉が開き謁見の間に入ると国王と宰相、ルイに雅臣とシャルがいた。
周りを見ると上位貴族に近衛の人数も多く見えた。
「遠路遥々ご苦労だったな、公爵。」
「はっ!陛下に謁見出来る光栄に預かり恐悦至極でございます。」
公爵と伯爵達は膝を付き頭を下げて居るが
私は堂々と立っていた。
だって私は国王に頭を下げなくて良いんだもん。
「して、落とし人様を保護したと聞いたが?」
国王はチラッと私を見た。
私はニッコリ笑った、元気だよって意味を込めて。
でも国王は血の気が引いた顔をした。
解せん!
「はい!国王陛下一つお話がございます。」
「ふむ、申してみよ。」
「落とし人様は私共と話すうちに、我がサリスティン聖教の聖女の任に就きたいと仰せでございます。」
「聖女…か、誠か?」
国王は私を見ると返答を求めた。
声が出ないのよね。
私は国王達に聞こえる様に念話を送った。
ー皆聞こえる?
念話を送ると国王、宰相、ルイ、雅臣、シャルがピクっと反応した。
ー私声が出せなくされてるの。
だからね、このままやっちゃって?
私は自分で声出せるようにするから。
皆小さく頷いた。
魔法解除!
「あーあー、ゴホンっ!国王、私は聖女になんてなりたくありません。落とし人ってだけでも微妙なのに。」
「は!何故声が!!」
慌てるザイール公爵に私は腰に拳を当てて睨んだ。
「私があの程度の魔法を解除出来ないとでも?黙って貴方達に着いて来たと思ってるの?私が何もしないでいたのは老害駆除の為なの!」
「ろ、老害ですと!!」
「そうよ、シャルの為にね。貴方は聖女賛成派の筆頭じゃない。違う?」
ザイール公爵は跪いたまま苦虫を噛み潰したような顔をした。
「後は国王に渡した物があるから、国王にまかせるよ。」
私はスタスタ歩くと雅臣の前に行き抱っこのポーズをした。
雅臣は国王をチラッと見ると溜息を吐いて私を抱き上げた。
よし、後は高みの見物だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者緊急入院の為、投稿少し遅れますm(_ _)m
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