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ウェールズ王国
成敗じゃああああああああぁぁぁ!!
しおりを挟む国王の執務室に転移したサクラに国王も宰相もアルミディアス聖教のルイも固まっていた。
「サクラ!」
「「サクラ様!」」
あれ?ルイスが居ない。
「あれ?ルイスは?」
いきなり現れて超普通なサクラに皆戸惑った。
「ルイスは巡回だ、サクラ無事なのか?怪我は?」
サクラの身体をペタペタ触り確認する国王にサクラはチョップをかました。
「お黙り、チョーーーーープッ!!」
「ふげっ!!」
「サクラ様…床に罅を入れないで下さい。」
宰相に指摘され素直に謝った。
「いてて…。」
床にめり込んだ国王は鼻血を出しながら真面目な顔をした。
「サクラ、何かあったのか?」
美形なのに鼻血をたらしているのは実に残念である。
「ちょっとお願いがあって来たの。」
「聞こう。」
サクラは作戦を話して聞かせた。
「サクラ様を囮など認められません。」
「別にルイに認めてなんて言ってないよ?」
「いや、しかしなサクラ…流石に落とし人を囮とは私の沽券に関わる。」
「国王なんだから威厳で何とかして下さい。」
何か言いたそうな宰相をジッと見ると気まずそうに目を反らした。
よし、ここにルイスが居なくて良かった。
絶対反対するもんね!
「じゃ、そゆ事で!」
シュタッと手を上げると私はまた宿に転移した。
「話はついたのか?」
「大丈夫、無理矢理納得させて来た。」
「無理矢理かよ…。」
「本当に大丈夫ですか?行く前に追跡魔法だけは掛けさせてください。」
「ありがとう、シャル。雅臣とシャルが王城に行く事は伝えてあるから。直ぐに出発してね?」
「分かりました、呉々も気をつけて下さい。」
「なんかあったらぶん殴れ!」
「うん!じゃあこの三人に暗示を掛けるからね。また王都で会おうね。」
私は三人の誘拐犯に暗示を掛けて二人と別れた。
何も知らない誘拐犯に連れてこられたのはやっぱりザイール公爵邸だった。
私は縛られて猿轡をされてるのだけど…駄目、もう…腹筋崩壊しそう!!
ザイール公爵は細身の中年で多分ね、多分だよ?ザイール公爵も髪型はザビエルなのよ!
明らかに被ってるの、か、つ、ら!
笑いを堪えてプルプルする私を恐怖から震えてると勘違いした公爵は私を慰めサリスティンがどんなに素晴らしいかを語って聞かせ、何故かthe聖女な服に着替えさせた。
朝になると私はそのまま公爵の馬車に乗せられて公爵邸を離れた。
途中、何人か合流したみたいで馬車の音が増えたのが分かった。
「聖女様、昼過ぎには王都に着きます。申し訳ありませんが、貴女に声を出せない魔法を掛けさせて頂きます。」
ふーん、私に話されると困るもんね。
「やれ。」
公爵の隣に居た謎のフードの人は魔法士だった様だ。
気になってたの!スッキリした!
魔法士が呪文を唱えると喉がキュッと一瞬なって本当に声が出なくなった。
「では猿轡を外しますね?」
公爵はニコニコしながら猿轡を外した。
本当にこんなの上手く行くと思ってるのね?
公爵邸は一部分しか見てないけど、公爵邸にしては確かに質素だった。
財政難は確か見たいね、もっとこうギラギラしてるかと…まぁ私の勝手な固定概念だけどね。
雅臣達は王都に着いたかしら?
後は国王達が上手くやってくれる筈だし。
こっそりアレも渡しといたし、公爵邸を出る時にもう一つ転移で送っておいた。
「さぁ、聖女様もう直ぐ王都ですよ?」
ニマニマする公爵…待ってなさいそのヅラ取ってやるから!!
それに地球のザビエルに謝りなさい!!
そして、私も無事?に王都に入った。
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