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ウェールズ王国
サクラぶん殴る!
しおりを挟む「サクラちゃん、無理しなくても。」
「いいえ、雅臣を守る為にも依頼者はぶん殴っておかないといけないのよお母さん。雅臣、今日は村に買い物にいこう?」
「は?この身なりじゃ行けねえよ。」
「大丈夫、魔法で髪の色と瞳の色を変えるから。」
雅臣はそんな事も出来るのかよ…と呟いた。
その日の夕食は豪華にした、お母さんはとても心配してくれたけど私は雅臣と依頼者に会う。
それでまた雅臣とここに戻って来ると約束したのだ。
翌日の早朝。
「本当に気をつけるのよ?雅臣、頼んだわよ?」
「あぁ、サクラは必ず守る…っても俺よりサクラの方が強いけどな?」
「ふふ、お母さんありがとう。行く前にちょっと…植物魔法~からの創成魔法~!」
サクラが手を翳すと植物がドンドン生えて太くなり可愛らしい家が出来上がった。
「まぁ!」
「これは、すげえな…。」
「お母さん、雅臣中を見て!」
丸い可愛らしいドアを開けるとテーブルも大きくなり椅子も4脚、キッチンも広々としていて奥には三人のベットがし設置されたら立派な家になった。
「サクラちゃん、ありがとう。」
オリビアはサクラを抱きしめると涙を拭った。
「お母さん、泣かないで?行ってきます!」
「はい、行ってらっしゃい。」
「じゃあ、母さん行ってくる。」
オリビアに見送られサクラは雅臣のおんぶで旅立った。
またビュンビュン走る雅臣にサクラは聞いた。
「引渡しの場所はどこなの?」
「森の南のサリスティン聖教本部に変更になった。」
「サリスティン聖教?」
何か聞いた様な聞いた事ない様な。
「知らないのか?この国には二つの宗教があるんだ。一番信仰されてるのが主神アルミディアス様を信仰するアルミディアス聖教。もう一つは聖女を崇めるサリスティン聖教だ。」
「聖女?流石異世界…。」
「サクラ、他人事じゃねえぞ?」
「へ?」
「サリスティン聖教は幼女を聖女に祭り上げてるって噂だ。いい噂もあまり聞かない。多分落とし人のサクラを聖女に据えるつもりだろう?」
「え?私が聖女?!」
「それくらいしかサクラを攫う意味がないと思うけどな?」
何と!私を聖女にしようとしてるの?
これは是非とも殴らないと、幼女を無理矢理(言ってない。)聖女にするとはけしからん!!
サクラの中でサリスティン聖教は敵と判断されたのだった。
「サリスティン聖教までは2日は掛かるからな。」
「うん、体力貯めとく!」
ふんすっと息巻くサクラに雅臣は本当に殴るのかよと不安になった。
その頃、サリスティン聖教の一室ではサップの元にサクラ到着の知らせが届いていた。
喜びたいのは山々だが、戻ったシャルル猊下に何やら疑いを掛けられていて変に身動きが出来ない状態になっていた。
しかし、行くしかないサップは夜中に抜け出した。
裏から抜け出した所で声を掛けられた。
「こんな夜更けに何処に?私も同行しよう。」
「し、シャルル猊下!!」
「私が同行する事に不都合でも?」
「い、いいえ。是非ともご一緒に。」
頭の悪いサップは落とし人を聖女に据える事をシャルルも喜ぶと思い込んでいた。
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