良くある異世界で幼女は今日も頑張る!

凪 冬夜

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序章 私は日下桜。

最近のませガキ。

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「まぁ!桜ちゃん異世界転生をしりませんの?!」

「異世界?なぁにそれ?」

「私が説明して差し上げますわ!」
この興奮気味のTheお嬢様はクレハちゃん。
お父さんが大きな会社の社長さんなんだって。

「いいですか?異世界へいけばそこは…」
まぁ私が通う私立の幼稚園は殆どのお父さんは社長さんだろう。
私は日下 桜くさか さくら5歳、お父さんはまぁ社長さんだ。
ママが言ってた、お金はいつ無くなるかわからないのだから堅実に生きて行かなきゃならないって。
だから私は指定の制服にデコレーションはしないの。
クレハちゃんの制服はもう原型が分からないほど装飾されてる。

「聞いてますの?!桜ちゃん!」

「あ、ごめんね?聞いてなかった。」

「もう、そんな所も可愛いのですけど。」
そうに言ってポッと頬を赤らめるクレハちゃん。
私には分からない。

「みなさーん!バスに乗ってくださーい!」

「「「「はーい!」」」」
ふぅ、今日も一日が終わる。
送迎バスで家の近くに降ろしてもらう。
私とクレハちゃんのお家は近いから同じ所で降りるの。
まぁ、殆どの子は家から送迎の車が迎えに来るけどうちはバスを使ってる。
自立心がなんちゃららしいよ?

「「先生、さようなら!」」

「はい、クレハちゃん、桜ちゃん気を付けて帰ってね!」

「「はい!」」

「クレハちゃんまたね~!」

「また明日ですわ、桜ちゃん。」
私達は別れて反対の方向に歩き出す。
バスは丁度私達の家の真ん中くらいで停るのだ。
今日もつまらない一日だった…お兄ちゃんとお勉強してる方が楽しいのに。
桜は兄と同様天才肌だった。
要は可愛くない園児なのだ(中身が)。

「桜?」

「あ!お兄ちゃん!」
私は兄を見付けて走り出した。

「桜!走ると転ぶよ!」

「大丈夫!またお勉強教えて~!」
パタパタと走ると次第に兄の顔色が変わった。

「桜!!」
え?ガクンと身体が傾く…転んだ訳じゃないのに…。

「お、お兄ちゃ…。」

「桜ああああああああぁぁぁ!!」
お兄ちゃんに手を伸ばすけど全く届かない。
次第にお兄ちゃんが薄くなって、私は闇に包まれ眠った。



「ちょっと…こんな小さな子で大丈夫なの?」

「仕方あるまい、儂らの神気が選んだ子じゃ。何かあれば助けてやれば良い。」
ん?誰?知らない声…でもとっても優しい。

「ごめんね、巻き込んで。桜、健やかに育ってね?僕達は何時でも君を見ているよ?行っておいで、この世界を頼んだよ。」
その声と共に私は何処かに落ちる感覚に身体を丸くした。
私は何処に行くのかな?
お兄ちゃん大丈夫かな?
そんな事を考えながらまた意識は遠のいた。
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