冴えない冒険者の俺が、異世界転生の得点でついてきたのが、孤独の少女だったんだが

おもちゃの都市 ゆめしあ編

075 親友と8人

アルファ「テーゼ...」

テーゼ「たとえ、強盗をしてたとしても」

テーゼ「それは過去だ」

テーゼ「今じゃねぇ」

テーゼ「今じゃねぇんだ、だから気にすんな」

アルファ「たしかに...けど...やった罪は消えない...」

テーゼ「たしかにな」

アルファ「これからは....そのことを背負って生きていくよ」

テーゼ「おお」

テーゼ「それで良いと思うぞ」

ビニル「...はい次」

ビニル「ここからは、テーゼさんのみとなります！」　　

ビニル「テーゼさん...残り7つ....頑張ってくださいねぇぇぇ！」

ビニル「あぁ...かかってこい」

ビニル「んじゃあ....まず一つ目は」

ビニル「テーゼさんは」

ビニル「ここの世界の人ではないです」

アルファ「えっ？」

テーゼ「...やっぱり来ると思ってたが」

テーゼ「....」

ビニル「テーゼさんは、日本人です！」

テーゼ「.....」

アルファ「日本ってどこか...わかんないけど」

アルファ「テーゼ....ようするに....ケンジ達と同じところに住んでるってこと？」

テーゼ「まあそういうことになるな」

テーゼ「だが....ケンジ達には知らせていないんだよ」

アルファ「....なんで？」

テーゼ「俺は...死因が...死因が」

アルファ「死因？」

テーゼ「どうせコイツに言われるさ」

ビニル「そうですねぇ」

ビニル「言ってやりましょうか!」

ビニル「二つ目は！　テーゼさんはここに来る前、何で死んだか!」

テーゼ「...あぁ...言えよ」

ビニル「...あなた、さっき親友が死んだと言ってましたよね？」

テーゼ「そうだが」

ビニル「庇って...って言ってました」

ビニル「でも実際は」

ビニル「いじめられてたのを庇って、殺されたんですよね？」

テーゼ「....」

アルファ「テーゼ....」

テーゼ「たしかに....俺がもしあの時に、何かできていれば....もしかしたら、何かが変わったのかもな」

テーゼ「すまねぇな.....本当に」

テーゼ「俺だけ生きちまってよ」

ビニル「でぇぇぇ！」

ビニル「テーゼさんはその後、」

ビニル「....親友が目の前で、殺されたのを見て、何をしたと思いますか？」

アルファ「えっ」

テーゼ「....殺したんだよ」

テーゼ「....その親友を殺した全員を」

アルファ「親友を殺した全員って....何人いたの？」

テーゼ「.....8人だ」

アルファ「....8人も殺したってこと？」

テーゼ「仕方ねぇよ....」

テーゼ「これでアイツの未練がなくなれば良いがな...」