冴えない冒険者の俺が、異世界転生の得点でついてきたのが、孤独の少女だったんだが

おもちゃの都市 ゆめしあ編

073 勇者とアルファ

ビニル「じゃあ、どちらから先行にいきますか？」

アルファ「....」

テーゼ「俺からいこう」

ビニル「了解です....」

ビニル「テーゼさん、先行で、アルファさん、後攻」

ビニル「で、決定です！」

ビニル「それでは....スタート！」

ビニル「テーゼさん..あなた」

ビニル「昔に」

ビニル「親友を亡くしてますよね？」

テーゼ「....っ」

ビニル「親友は、あなたを庇って、とかじゃなく....あなたがあの時助けていれば....助かったかもしれないのに」

テーゼ「無理だよ」

テーゼ「あの時の俺は...そんなに陽気じゃなかった」

ビニル「ほうほう」

テーゼ「...仕方ねぇんだよな...」

テーゼ「....すまんな」

テーゼ「助けられなくて」

ビニル「ほおほお」

ビニル「じゃあ次は....アルファさん」

アルファ「...」

ビニル「あなたは....昔」

ビニル「雄団に入る前は」

ビニル「....ん？」

ビニル「んー？」

アルファ「...」

ビニル「あなた....パーティから抜けてますね」

テーゼ「パーティ？」

ビニル「当時組んでいたパーティから」

ビニル「抜けてますねぇ」

ビニル「当時のあなたは、どうやらパーティの勇者に嫉妬してたみたい....自分はシールドだから....縦だから」

ビニル「自分も勇者をやってみたい！と思ったんですよね！」

アルファ「そんなことは...」

ビニル「しかもアルファ以外は全員女神を信頼していた、それは揉めますよ....ね」

ビニル「そして、あなたは勇者になって...」

ビニル「女神を倒そうとした」

アルファ「...はぁはぁ」

テーゼ「そうなのか...アルファ」　　

アルファ「そうだけどなに！？！？！？」

アルファ「なに？！？！」

テーゼ「いや...べつに」

アルファ「ねぇテーゼ...3つすべてやってくれない？」

テーゼ「3つ？どういうことだよ」

アルファ「ねぇお願い」

アルファ「テーゼが7個やるの！！」

テーゼ「まっ...なんで俺が7個しないとしなきゃいけないんだよ！」

アルファ「ねぇお願い!」

アルファ「お願いお願いお願いお願い！」

アルファ「私テーゼより強いから！」

テーゼ「いや...それはわからねぇが」

テーゼ「とりあえず一旦落ち着こうな？」

テーゼ「な？」

アルファ「そそそそうだよね...」

アルファ「私が勇者なんて向いてなかったんだ...」

テーゼ「いや...そういうことじゃなくてだな」

アルファ「そういうことでしょ！？ねぇ！？違うの？」

テーゼ「いや....ちが」