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15:お友達
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しばらくはレオンと一緒に寝る事になった。
いまだにドキドキが治まらずソファーに座っている。
正面の壁に目をやると、そこには時計が飾られている。文字盤には24個の数字のような物が付いていて中心には日本と同じように時計の針がある。今は、6個目の数字の所に針がきている。見方は全く分からない。こっちの世界が1日何時間なのか、今が何時なのかも分からない。恐らく夕飯の準備ってことは、夕方頃なのかな。
すると急にビーと音が部屋に鳴り響いた。
俺は驚いてビクッとなりレオンを見る。
レオンは眉間にシワを寄せ、ものすごく機嫌が悪そうな表情をしている。ケモ耳もピンっと立ちシッポからも苛立ちが伝わってくる。
冷蔵庫をしめながら、こっちを見て溜め息を吐く。
えっ。俺なんかした?レオン怒ってる?
『光ごめん。来客だ。動かず、そこで待ってろ。』
そう言ってリビングのドアを締め玄関へ向かって行く。
なんだー来客かぁ。俺なんか怒らすような事したのかと思った。良かったぁ。てか、機嫌が悪いとケモ耳もシッポもピンっとなるんだな。分かりやすいなぁ。
ってことは、さっきまでは凄く穏やかだったんだな。嬉しそうにゆらゆら揺れてたし。ゆらゆら揺れてる時のシッポはたまらなく可愛い。ふふ。思い出すとニヤついてしまう。ふふふ。
ニヤニヤしていると。こっちに人が来る足音がする。そして勢いよくドアが開いた。人が3人中に入って来る。
そして、俺は目を見開いて固まった。
『光。わりぃ俺の友達。さっきギルドの受け付けにいた、ミイナと幼なじみのタイガ。』
〈光くん。よろしくねぇ。さっきはギルドで話せなかったから来ちゃった。これ旦那のタイガね。〉
と隣にいる優しそうなタイガを紹介してくれるミイナ。
《光くん。初めまして、タイガです。よろしく。》
タイガは頭を下げながら挨拶をしてくれた。
うぎゃー。頭を下げると猫耳と細くて綺麗な茶虎柄のシッポが一緒に動いているっ!!茶虎柄さいこー!!!
目の前にケモ耳が3人もいるなんて!!ヤバイヤバイ!!
『おい光。どーした。』
「あっ!あの、光です。よろしくお願いします。」
俺は慌てて頭を下げ2人に挨拶をする。
『光。2人とも良いやつだからさ、仲良くしてやってよ。俺は夕飯の準備するから。』
《レオン。一緒に食べようと思って買ってきたんだ。》
と、タイガが腰につけている小さなポーチのような物の中から色々と取り出している。飲み物や惣菜などなど。
『おー。サンキュ。』
それらを受けとり台所に戻って行くレオン。
タイガとミイナは慣れたようにバーカウンターの椅子に座り、レオンと楽しそうに話している。
今あの小さなポーチから飲み物や食べ物だしてなかったか? どーゆーこと?あんな小さなポーチにあの量が入るわけないだろ。俺の頭の中はプチパニックだ。
レオンをチラ見するが、夕食の準備で忙しそう。
俺はどうすればいいのか?何だか、あの3人を見ていると1人でポツリとソファーにいるのが急に寂しくなってきた。それに頭もプチパニックだし、レオンも俺のことほっとくし、何だか不安にもなってくる。
「れおた。」
誰にも聞こえないような小さな声でレオンの名前をつぶやいていた。
レオンは俺に気付いてくれるんじゃないかと思ったけど、駄目だった。3人で楽しそうに話しており俺の小さなつぶやきは聞こえない。
何だか色々な感情に押し潰されそうだよ。レオン。
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