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第七章 招かれざる客
第四十六話
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血だらけで倒れているナラ、それを抱きながら呆然としているハシャラ、彼女たちをかばうように臨戦態勢をとっているハチを見やり、険しい表情でアルは襲撃者の方を見た。
けれど、襲撃者の方はアルを見かけるとパッと明るい笑顔を見せる。
「やぁ、アル」
顔を見て、声を聞いて、名前を呼ばれて……だけど、それが自分の兄だと理解するのに、アルはとても時間を要した。
「あ、あに……うえ……?」
やっと理解が追いついてきた頃、緊急事態とは思えない情けない声で、そう呟くだけでアルは精一杯だった。
そんなアルの姿を見て、呼ばれた当の本人であるハサルは、ニコニコと微笑んでいた。
「うん。兄上だよ。舞踏会以来だね」
なぜハサルがこんな夜更けにこの屋敷に来ているのか、なぜハサルの前でナラは傷つき倒れているのか……アルは何も分からず、ただ呆然としていた。
けれど、ふと……ハサルの隣にいる鳥の魔物に目が行った。
鳥の足に見える鋭い爪には、ナラのものと思われる血が付着していた。
足元からゆっくりと見上げていくようにして見つめ、鳥の魔物と目が合うと、それは「ギエーッ」とアルに攻撃的な泣き声をぶつける。
そんな鳥を宥めるように、ハサルは鳥の頭を優しく撫でていた。
鳥は満足げな表情をして、攻撃性を引っ込めていた。
そんな光景を、アルは呆然と眺めて……困惑しながら、疑問を投げかける。
「兄上。そ、その……鳥の魔物は……?」
思うように言葉を紡ぐことができず、ほとんど単語だけになってしまった。
けれどハサルはそんなアルの様子を気に留めることはなく、ただニコニコと笑顔で答える。
「アルは知らなかっただろうけど、僕は鳥神様の加護を授かっていてね。そこで呆けているレディと同じように、魔物を使役する力を持っているんだ」
初めての情報に、アルは戸惑いの表情を見せる。
ハサルが鳥神様の加護と使役の力を授かっているのは、アルも国中の民も知っていることではあったが……魔物を使役できるというのは初耳だった。
ハサルが加護の力を使っているところも見たことがあるが、普通の鳥を呼び出しているようにしか見えなかった。
「なぜ……黙って、いたのですか……?」
色々と聞きたいことはあるが、アルは慎重に話を進める。
もっと聞かなければいけないことはあると分かっていた……けれど、それを聞くには心の準備が整っていなかった。
アルの問いに、ハサルは悲しげに眉尻を下げながら答える。
「……ごめんね。魔物を使役する力が王族には相応しくないと判断されて、両親と宰相たち一部の役人以外には極秘だったんだ」
かと思うと、パッと笑顔を見せて付け加えた。
「普段は鳥の魔物を、普通の鳥のように化けさせて誤魔化していたんだ。アルも気付かなかっただろう?」
それにアルは「えぇ……全く気付きませんでした」と、答えた。
そしてぎゅっと口元に力を入れたかと思うと、ぎこちない笑顔をつくりながら本題を……一番の疑問を、ハサルに投げかける。
「そ、それで……こんな夜更けに、何の御用でしょうか? 知らせもありませんでしたし、お出迎えもできませんでした。……屋敷の使用人も、なぜか怪我をしておりますし……」
ちらりと血だらけのナラと、それを抱きかかえているハシャラの方を見ながらそう告げる。
ハシャラはまだ呆然としたまま、動けないようだった。
その問いに、ハサルはあっけらかんと笑みを浮かべながら答える。
「出迎えなら、されたよ。そこの女騎士さんたちにね。わざわざ寝静まる夜更けを狙って暗殺に来たというのに、この屋敷は警備が厳重だね。驚いたよ」
アルの頭の中で『暗殺』という言葉が、ぐるぐると回る。
目の前にいるハサルの笑顔は、いつもと何ら変わらないように見える。
それが、アルの頭を余計に混乱させていた。
混乱のままに、アルは声を荒げながら尋ねる。
「なぜ……なぜ、このようなことを!? まさか……前の暗殺者も、兄上が差し向けたものだったのですか!?」
アルは、今にも泣きそうな顔になりながら懸命に尋ねた。
王城の人間が暗殺者を差し向けたのだろうということは分かっていた。
けれど、まさか仲が良いと思っていた兄が差し向けていたとは、かけらも思っていなかった。
アルは動揺していた。
「答えてください! 兄上!」
動揺から、声を張り上げて答えを急かす。
すると、すっ……とハサルの顔から笑みが消えた。
かと思うと、怒り・不快感・嫌悪感……負の感情を全て詰め込んだような表情をしながら、静かに口を開いた。
「お前が邪魔だったからだよ。僕は上位の加護を授かっているのに、不気味だからとひた隠しにされて、なのに獅子神の加護を授かったお前を、両親や一部の役人は評価していた」
ハサルは返事など求めていないようで、淡々とはしているものの、まくしたてるように言葉を続ける。
「威圧に怯えていても、国のためには必要な要素だろうと……加護を公表できないハサルを支えてもらいましょうと、いっそアルを国王に……と推す声もあった」
そこまで言うと、ハサルは握りこぶしを震わせ、怒りを露わにして声を荒げ始める。
「僕の方が上位の加護持ちなのに! 王位継承権も上だ! そのことを公表できれば、誰もが僕の方が国王に相応しいと気づくはずなのに!」
ハサルはバッと腕を振り上げて、アルの方を指さしてさらに続ける。
「お前がいるからだ! お前みたいな弟がいるから、皆は僕の力を認めない! 口では王位に興味はないとか言いつつ、お前は僕から玉座を奪うつもりだろう!?」
アルは呆然と……何も言えずに、ハサルの言葉を黙って聞いていた。
そんな様子にさらに苛ついた様子のハサルが、声を荒げながら続ける。
「蟲神の加護持ちに近づいたのも、何か企んでのことなんだろう!? 気味が悪いんだよ! お前の行動全てが、僕を不快にさせる!」
ハサルは俯き、髪を乱暴にかきむしりながら続ける。
「お情けで優しくしてやってたのに! お前の威圧に本能的に怯えてしまう自分に心底腹がたった! お前の存在に脅かされる自分に、心底腹がたった!!」
かと思うと、ゆっくりと顔を上げて歪んだ笑みを浮かべる。
「お前がいると、僕は安心して王になれないんだ。だからこれ以上邪魔になる前に、お前を消しておくことにしたんだ」
アルは、何も言わない。
俯き、ハサルが自分に暴力的に投げつけてくる言葉に、ただじっと耐えていた。
「蟲神の加護持ちも気の毒にな。お前なんかを受け入れたりするから、こんな危険に巻き込まれることになって……」
ハサルはふっと鼻で笑いながら、ハシャラの方を見やってそう言う。
ハシャラは抱き寄せたナラを見下ろす状態になっていて、ハサルの位置からは表情は見えなかった。
「お前が近づいた人間は全員不幸になるんだ! お前なんて死んでしまえ! お前は死ぬことで、初めて周りの人間を幸せにできるんだよ!」
そこまで言い切ると、ハサルは息を荒げながらアルを見る。
そしてアルの表情を見て、ゲラゲラと笑い始めた。
アルは何も言葉を返さない……いや、返せなかった。
ただハサルの言葉を聞いて、唯一信頼していた優しい兄のイメージが、今までの思い出が崩れていくのを感じ、絶望して膝から崩れ落ち、呆然としたまま静かに涙を流していた。
床に膝と手をついて、ただ泣き続けるアル。
こんなに恨まれていたとは、呪われていたとは……アルは思いもよらなかった。
気付かなかった自分が情けなく、申し訳なくて……ハサルの言う通り、自分は周りの人間を不幸にしてばかりだと思いながら、ただただ涙を流していた。
迷惑を掛けた全ての人に、不幸にしてしまった全ての人に謝りたい……ハサルの言うように、死ぬことで幸せにできるのなら……とすら、考えていた。
けれど、襲撃者の方はアルを見かけるとパッと明るい笑顔を見せる。
「やぁ、アル」
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足元からゆっくりと見上げていくようにして見つめ、鳥の魔物と目が合うと、それは「ギエーッ」とアルに攻撃的な泣き声をぶつける。
そんな鳥を宥めるように、ハサルは鳥の頭を優しく撫でていた。
鳥は満足げな表情をして、攻撃性を引っ込めていた。
そんな光景を、アルは呆然と眺めて……困惑しながら、疑問を投げかける。
「兄上。そ、その……鳥の魔物は……?」
思うように言葉を紡ぐことができず、ほとんど単語だけになってしまった。
けれどハサルはそんなアルの様子を気に留めることはなく、ただニコニコと笑顔で答える。
「アルは知らなかっただろうけど、僕は鳥神様の加護を授かっていてね。そこで呆けているレディと同じように、魔物を使役する力を持っているんだ」
初めての情報に、アルは戸惑いの表情を見せる。
ハサルが鳥神様の加護と使役の力を授かっているのは、アルも国中の民も知っていることではあったが……魔物を使役できるというのは初耳だった。
ハサルが加護の力を使っているところも見たことがあるが、普通の鳥を呼び出しているようにしか見えなかった。
「なぜ……黙って、いたのですか……?」
色々と聞きたいことはあるが、アルは慎重に話を進める。
もっと聞かなければいけないことはあると分かっていた……けれど、それを聞くには心の準備が整っていなかった。
アルの問いに、ハサルは悲しげに眉尻を下げながら答える。
「……ごめんね。魔物を使役する力が王族には相応しくないと判断されて、両親と宰相たち一部の役人以外には極秘だったんだ」
かと思うと、パッと笑顔を見せて付け加えた。
「普段は鳥の魔物を、普通の鳥のように化けさせて誤魔化していたんだ。アルも気付かなかっただろう?」
それにアルは「えぇ……全く気付きませんでした」と、答えた。
そしてぎゅっと口元に力を入れたかと思うと、ぎこちない笑顔をつくりながら本題を……一番の疑問を、ハサルに投げかける。
「そ、それで……こんな夜更けに、何の御用でしょうか? 知らせもありませんでしたし、お出迎えもできませんでした。……屋敷の使用人も、なぜか怪我をしておりますし……」
ちらりと血だらけのナラと、それを抱きかかえているハシャラの方を見ながらそう告げる。
ハシャラはまだ呆然としたまま、動けないようだった。
その問いに、ハサルはあっけらかんと笑みを浮かべながら答える。
「出迎えなら、されたよ。そこの女騎士さんたちにね。わざわざ寝静まる夜更けを狙って暗殺に来たというのに、この屋敷は警備が厳重だね。驚いたよ」
アルの頭の中で『暗殺』という言葉が、ぐるぐると回る。
目の前にいるハサルの笑顔は、いつもと何ら変わらないように見える。
それが、アルの頭を余計に混乱させていた。
混乱のままに、アルは声を荒げながら尋ねる。
「なぜ……なぜ、このようなことを!? まさか……前の暗殺者も、兄上が差し向けたものだったのですか!?」
アルは、今にも泣きそうな顔になりながら懸命に尋ねた。
王城の人間が暗殺者を差し向けたのだろうということは分かっていた。
けれど、まさか仲が良いと思っていた兄が差し向けていたとは、かけらも思っていなかった。
アルは動揺していた。
「答えてください! 兄上!」
動揺から、声を張り上げて答えを急かす。
すると、すっ……とハサルの顔から笑みが消えた。
かと思うと、怒り・不快感・嫌悪感……負の感情を全て詰め込んだような表情をしながら、静かに口を開いた。
「お前が邪魔だったからだよ。僕は上位の加護を授かっているのに、不気味だからとひた隠しにされて、なのに獅子神の加護を授かったお前を、両親や一部の役人は評価していた」
ハサルは返事など求めていないようで、淡々とはしているものの、まくしたてるように言葉を続ける。
「威圧に怯えていても、国のためには必要な要素だろうと……加護を公表できないハサルを支えてもらいましょうと、いっそアルを国王に……と推す声もあった」
そこまで言うと、ハサルは握りこぶしを震わせ、怒りを露わにして声を荒げ始める。
「僕の方が上位の加護持ちなのに! 王位継承権も上だ! そのことを公表できれば、誰もが僕の方が国王に相応しいと気づくはずなのに!」
ハサルはバッと腕を振り上げて、アルの方を指さしてさらに続ける。
「お前がいるからだ! お前みたいな弟がいるから、皆は僕の力を認めない! 口では王位に興味はないとか言いつつ、お前は僕から玉座を奪うつもりだろう!?」
アルは呆然と……何も言えずに、ハサルの言葉を黙って聞いていた。
そんな様子にさらに苛ついた様子のハサルが、声を荒げながら続ける。
「蟲神の加護持ちに近づいたのも、何か企んでのことなんだろう!? 気味が悪いんだよ! お前の行動全てが、僕を不快にさせる!」
ハサルは俯き、髪を乱暴にかきむしりながら続ける。
「お情けで優しくしてやってたのに! お前の威圧に本能的に怯えてしまう自分に心底腹がたった! お前の存在に脅かされる自分に、心底腹がたった!!」
かと思うと、ゆっくりと顔を上げて歪んだ笑みを浮かべる。
「お前がいると、僕は安心して王になれないんだ。だからこれ以上邪魔になる前に、お前を消しておくことにしたんだ」
アルは、何も言わない。
俯き、ハサルが自分に暴力的に投げつけてくる言葉に、ただじっと耐えていた。
「蟲神の加護持ちも気の毒にな。お前なんかを受け入れたりするから、こんな危険に巻き込まれることになって……」
ハサルはふっと鼻で笑いながら、ハシャラの方を見やってそう言う。
ハシャラは抱き寄せたナラを見下ろす状態になっていて、ハサルの位置からは表情は見えなかった。
「お前が近づいた人間は全員不幸になるんだ! お前なんて死んでしまえ! お前は死ぬことで、初めて周りの人間を幸せにできるんだよ!」
そこまで言い切ると、ハサルは息を荒げながらアルを見る。
そしてアルの表情を見て、ゲラゲラと笑い始めた。
アルは何も言葉を返さない……いや、返せなかった。
ただハサルの言葉を聞いて、唯一信頼していた優しい兄のイメージが、今までの思い出が崩れていくのを感じ、絶望して膝から崩れ落ち、呆然としたまま静かに涙を流していた。
床に膝と手をついて、ただ泣き続けるアル。
こんなに恨まれていたとは、呪われていたとは……アルは思いもよらなかった。
気付かなかった自分が情けなく、申し訳なくて……ハサルの言う通り、自分は周りの人間を不幸にしてばかりだと思いながら、ただただ涙を流していた。
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