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第三章 王子様襲来
第十六話
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アルアサダが帰った後、応接室からいつもの談話室に移動したハシャラは、ナラに淹れてもらった紅茶を口に運びながら「うーん……」と頭を悩ませていた。
き、求婚……されてしまいました。
しかも相手はネメトンの第二王子・アルアサダ殿下です……。
本来であれば喜ぶべき縁談であるはずだが、ハシャラは浮かない表情を浮かべていた。
アルアサダの婚約者になるということは、すなわち王族に入るということだ。
次期国王には第一王子がなるから、王妃になる心配はないけれど……王子妃というだけでも重責ではある。
何より、王子と結婚したら領地を離れることになってしまう。
人間も捕食対象である虫魔物に、ハシャラがいなくなった後も人間の村に定住して働いてほしいと頼むのは、心配なこともあるし虫魔物たちに悪い気もしていた。
彼女たちは人間は食べないと約束してくれているけれど、それはハシャラがそばにいる間と限定している。
領地からいなくなる=そばを離れるということになるのであれば、領民の命が絶対に安全とは言い切れなくなる。
新たに絶対に人間を襲わないと約束を更新することもできるのだろうが、それは虫魔物たちには酷だろうし……ハシャラが死んだあとがどうなるのかも心配だった。
ハシャラが死んだ後も約束の効果が持続したら虫魔物に申し訳がないし、持続しないのであればハシャラが死んだ途端に虫魔物が領民を襲う可能性もあるかもしれない。
仮に虫魔物たちが絶対に領民を襲わないとしても、蟲神様の加護を授かっているハシャラが人間に化けて一緒に暮らしている虫魔物から離れるのは、領民にとって不安だろう。
「……やはり、このお話はお断りしましょう」
悩んだ結果、ハシャラはそう結論付けた。
すぐにお返事を出すのも失礼だろうと、数日待ってからお断りの手紙を、王城にいるアルアサダに宛てて送った。
「やぁ。また来てしまった」
すると手紙を受け取ったばかりだと思われるアルアサダが、すぐにケンゾンのハシャラの屋敷を訪れた。
その表情は怒っているようにも悲しんでいるようにも見えず、ニコニコと楽しげに微笑んでいた。
「よ、ようこそお越しくださいました。歓迎いたします……」
ハシャラは引きつった笑みを浮かべながら、アルアサダを出迎える。
ちょ、直接話を聞きにいらしたのでしょうか……?
ハシャラは不安を感じながらもアルアサダを応接室に通して、ナラに頼んで紅茶を淹れてもらい……腰を落ち着けてから、心も落ち着けるために紅茶を口に運ぶ。
「婚約を断る理由は理解した。ならば俺が領主殿の婿になりたい」
アルアサダが笑顔のままそう告げると、ハシャラは驚きのあまり、口に運んだ紅茶を吹き出しそうになってしまう。
なんとか堪えたが、無理に飲み下したためにむせこんでしまう。
「なっ……! ど……っ! そ、そんなこと、殿下の一存で決められるのですか!?」
色々と尋ねたいことはあったが、むせながらで言葉が思うように出てこず、ひとまず大きな問題から尋ねてみることにした。
アルアサダは「大丈夫か?」と、むせこむハシャラを気遣いながら返事をする。
「あぁ、問題なく受理されるだろう。両親・宰相・貴族・使用人に至るまで、王宮の人間は威圧の効果で俺に怯えていて、厄介払いしたいと考えているからな」
そんなことをあっけらかんと語るアルアサダに、ハシャラはなんと声をかけていいのか分からずに黙り込む。
するとアルアサダが困ったように微笑みながら、話を続ける。
「兄上だけはそんな俺にも優しく声をかけてくれるが、ふいに俺から声をかけるとビクッと反射的に恐怖していてな。そんな姿を見ると、余計に悲しくなる」
「アルアサダ殿下……」
「結局、俺は王宮にいる人間に恐怖しか与えん。俺がいない方が……家族は幸せになるんだ」
そう言うアルアサダは、口元だけは笑って見せているけれど、目元は悲しげに伏せられていた。
ハシャラもつられて悲しげな表情をしていると、それに気付いたアルアサダが「暗い話をしてしまったな」と申し訳無さそうに笑っていた。
かと思うと、真剣な表情で続ける。
「……けれど、家族というものへの憧れが捨てられないんだ。俺も領主殿のように、誰かに求められる人間になりたい。誰かの役に立ちたいんだ」
そういうアルアサダの気持ちを、ハシャラは痛いほど理解できた。
自分も家族に一度捨てられ、ここで虫魔物たちと新しい家族になって、領民のためにと手を尽くして幸せに暮らしているからこそ……理解できた。
「ここなら俺でも受け入れてもらえる。それに領地経営の心得もあるから、必ず役に立てるはずだ。だから……」
アルアサダはそこまで言うと、ゆっくりと頭を下げる。
「頼む。俺を婿にしてほしい」
そして懇願するように、頭を下げて頼んできた。
「お、おやめください! どうか顔をお上げください!」
ハシャラが慌てて顔を上げるように促すが、アルアサダは微動だにせず静かに返事を待っていた。
戸惑いつつも、ハシャラは心の中ではアルアサダに同情していた。
同情……とも少し違うかも知れない。
他人事とは思えない、という言葉の方が近かっただろうか。
それに無償で虫魔物たちに協力を頼んでいる自分と違って、ちゃんとメリットを提示するなんて……立派だと感心しながら、過去の自分を恥ずかしくも思っていた。
今は平和な領地だけれど、いざという時に領地経営の心得のないハシャラだけでは、心もとないというのもある。
何より、王族であるアルアサダが頭を下げてまで頼んでくるなんて……余程のことだろうと思われた。
もう結婚はしませんと、王城にお帰りくださいと言うことなど、ハシャラにはできなくなっていた。
だから……。
「ま、前向きに、検討させていただきます……」
ハシャラの返事を聞いたアルアサダは、バッと顔を上げたかと思うと金色の瞳をキラキラと輝かせて、喜びを全面に押し出す。
「ありがとう! じゃあ早速だが、しばらくこの屋敷に滞在させてほしい」
「……え!?」
「俺の人となりを知らなければ、検討材料にならないだろう?」
突然の頼みに再び戸惑っていると、アルアサダはもうニコニコと微笑みをたたえた表情に戻っていた。
そう言われて、確かにその通りではあると……怯みながらも、どこか納得してしまったハシャラ。
けれど懸命に「ですが!」と反論を始める。
「王族がこんな辺境の領地に滞在するなどいけません! それに女主人の屋敷に未婚の王族男性が滞在しては、あらぬ噂が立ちます!」
「大丈夫だ。威圧魔法があるから俺が危険に晒されることはないし、襲われたとしても武術の心得がある。そして、あらぬ噂を立てるつもりはない。良い縁談を結びたいだけだ」
「殿下……!」
子どもの屁理屈のような態度に思わず声を大にして返すと、アルアサダがニッと笑いながら答える。
「どうかアルと呼んでくれ。俺もハシャラと呼んでも良いだろうか?」
嬉しそうに、これからの生活にワクワクしているのであろうアルアサダ……アルの明るい表情を見ると、ハシャラはもう反論することができなかった。
「……分かりましたよ、アル様。どうぞハシャラとお呼びください」
「ありがとう! じゃあ一室借りられるだろうか。王城と兄上に手紙を出して、ここに滞在する旨を伝えたいのでな」
「アリ。客室へご案内して……」
メイドの一人にそう指示を出すと「かしこまりました」と返事をして「こちらへどうぞ」とアルを連れて応接室を出ていった。
残されたハシャラはふうー……とため息をつきながら、ソファに深くもたれかかる。
「よろしいのですか? あのような者を滞在させて……」
「そうです。万が一にも、姫様の身に危険が及ぶようなことになったら……」
ナラとハチが不満そうにそう漏らす。
アルがいやというよりもハシャラの身を案じての発言を、ハシャラは嬉しくも少し困ったように微笑んで答える。
「私にはハチたちがいるから安全でしょう? それとも二人はアル様の滞在に反対ですか?」
そう尋ねると、ナラとハチはぴしっと背筋を伸ばす。
「「いえ、我々は姫様の決定に従います」」
その答えをもらって、ハシャラはこれからを不安に思いながらも、また賑やかになるなと楽しみにも感じていた。
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本来であれば喜ぶべき縁談であるはずだが、ハシャラは浮かない表情を浮かべていた。
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ハシャラが死んだ後も約束の効果が持続したら虫魔物に申し訳がないし、持続しないのであればハシャラが死んだ途端に虫魔物が領民を襲う可能性もあるかもしれない。
仮に虫魔物たちが絶対に領民を襲わないとしても、蟲神様の加護を授かっているハシャラが人間に化けて一緒に暮らしている虫魔物から離れるのは、領民にとって不安だろう。
「……やはり、このお話はお断りしましょう」
悩んだ結果、ハシャラはそう結論付けた。
すぐにお返事を出すのも失礼だろうと、数日待ってからお断りの手紙を、王城にいるアルアサダに宛てて送った。
「やぁ。また来てしまった」
すると手紙を受け取ったばかりだと思われるアルアサダが、すぐにケンゾンのハシャラの屋敷を訪れた。
その表情は怒っているようにも悲しんでいるようにも見えず、ニコニコと楽しげに微笑んでいた。
「よ、ようこそお越しくださいました。歓迎いたします……」
ハシャラは引きつった笑みを浮かべながら、アルアサダを出迎える。
ちょ、直接話を聞きにいらしたのでしょうか……?
ハシャラは不安を感じながらもアルアサダを応接室に通して、ナラに頼んで紅茶を淹れてもらい……腰を落ち着けてから、心も落ち着けるために紅茶を口に運ぶ。
「婚約を断る理由は理解した。ならば俺が領主殿の婿になりたい」
アルアサダが笑顔のままそう告げると、ハシャラは驚きのあまり、口に運んだ紅茶を吹き出しそうになってしまう。
なんとか堪えたが、無理に飲み下したためにむせこんでしまう。
「なっ……! ど……っ! そ、そんなこと、殿下の一存で決められるのですか!?」
色々と尋ねたいことはあったが、むせながらで言葉が思うように出てこず、ひとまず大きな問題から尋ねてみることにした。
アルアサダは「大丈夫か?」と、むせこむハシャラを気遣いながら返事をする。
「あぁ、問題なく受理されるだろう。両親・宰相・貴族・使用人に至るまで、王宮の人間は威圧の効果で俺に怯えていて、厄介払いしたいと考えているからな」
そんなことをあっけらかんと語るアルアサダに、ハシャラはなんと声をかけていいのか分からずに黙り込む。
するとアルアサダが困ったように微笑みながら、話を続ける。
「兄上だけはそんな俺にも優しく声をかけてくれるが、ふいに俺から声をかけるとビクッと反射的に恐怖していてな。そんな姿を見ると、余計に悲しくなる」
「アルアサダ殿下……」
「結局、俺は王宮にいる人間に恐怖しか与えん。俺がいない方が……家族は幸せになるんだ」
そう言うアルアサダは、口元だけは笑って見せているけれど、目元は悲しげに伏せられていた。
ハシャラもつられて悲しげな表情をしていると、それに気付いたアルアサダが「暗い話をしてしまったな」と申し訳無さそうに笑っていた。
かと思うと、真剣な表情で続ける。
「……けれど、家族というものへの憧れが捨てられないんだ。俺も領主殿のように、誰かに求められる人間になりたい。誰かの役に立ちたいんだ」
そういうアルアサダの気持ちを、ハシャラは痛いほど理解できた。
自分も家族に一度捨てられ、ここで虫魔物たちと新しい家族になって、領民のためにと手を尽くして幸せに暮らしているからこそ……理解できた。
「ここなら俺でも受け入れてもらえる。それに領地経営の心得もあるから、必ず役に立てるはずだ。だから……」
アルアサダはそこまで言うと、ゆっくりと頭を下げる。
「頼む。俺を婿にしてほしい」
そして懇願するように、頭を下げて頼んできた。
「お、おやめください! どうか顔をお上げください!」
ハシャラが慌てて顔を上げるように促すが、アルアサダは微動だにせず静かに返事を待っていた。
戸惑いつつも、ハシャラは心の中ではアルアサダに同情していた。
同情……とも少し違うかも知れない。
他人事とは思えない、という言葉の方が近かっただろうか。
それに無償で虫魔物たちに協力を頼んでいる自分と違って、ちゃんとメリットを提示するなんて……立派だと感心しながら、過去の自分を恥ずかしくも思っていた。
今は平和な領地だけれど、いざという時に領地経営の心得のないハシャラだけでは、心もとないというのもある。
何より、王族であるアルアサダが頭を下げてまで頼んでくるなんて……余程のことだろうと思われた。
もう結婚はしませんと、王城にお帰りくださいと言うことなど、ハシャラにはできなくなっていた。
だから……。
「ま、前向きに、検討させていただきます……」
ハシャラの返事を聞いたアルアサダは、バッと顔を上げたかと思うと金色の瞳をキラキラと輝かせて、喜びを全面に押し出す。
「ありがとう! じゃあ早速だが、しばらくこの屋敷に滞在させてほしい」
「……え!?」
「俺の人となりを知らなければ、検討材料にならないだろう?」
突然の頼みに再び戸惑っていると、アルアサダはもうニコニコと微笑みをたたえた表情に戻っていた。
そう言われて、確かにその通りではあると……怯みながらも、どこか納得してしまったハシャラ。
けれど懸命に「ですが!」と反論を始める。
「王族がこんな辺境の領地に滞在するなどいけません! それに女主人の屋敷に未婚の王族男性が滞在しては、あらぬ噂が立ちます!」
「大丈夫だ。威圧魔法があるから俺が危険に晒されることはないし、襲われたとしても武術の心得がある。そして、あらぬ噂を立てるつもりはない。良い縁談を結びたいだけだ」
「殿下……!」
子どもの屁理屈のような態度に思わず声を大にして返すと、アルアサダがニッと笑いながら答える。
「どうかアルと呼んでくれ。俺もハシャラと呼んでも良いだろうか?」
嬉しそうに、これからの生活にワクワクしているのであろうアルアサダ……アルの明るい表情を見ると、ハシャラはもう反論することができなかった。
「……分かりましたよ、アル様。どうぞハシャラとお呼びください」
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「よろしいのですか? あのような者を滞在させて……」
「そうです。万が一にも、姫様の身に危険が及ぶようなことになったら……」
ナラとハチが不満そうにそう漏らす。
アルがいやというよりもハシャラの身を案じての発言を、ハシャラは嬉しくも少し困ったように微笑んで答える。
「私にはハチたちがいるから安全でしょう? それとも二人はアル様の滞在に反対ですか?」
そう尋ねると、ナラとハチはぴしっと背筋を伸ばす。
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お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
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